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これからのお金

資格の費用は元が取れるのか。回収年数を3つの場合で計算する

約8分で読めます

資格の費用と昇給を電卓、硬貨、カレンダーで比べる手元

資格の費用を何年で回収できるかを、資格手当だけ増える場合・転職で年収差が出る場合・収入増が確認できない場合の3つに分けて計算する方法。通常の昇給と資格の効果を分けて考えます。

※本記事にはプロモーションが含まれます。

資格の費用で元が取れるかどうかは、年数にして出せます。かかる総額を、資格を取ったことで1年あたり増えると見込める収入で割るだけです。気をつけるのは割る側の数字です。毎年の昇給をそのまま入れると、資格がなくても上がった分まで資格の効果に数えてしまい、回収は実際より早く見えます。

この記事では、増える収入を3つの場合に分けて計算します。資格手当だけが増える場合、会社を替えて年収の差が出る場合、増えると確かめられない場合です。計算が終わると、学ぶ、先に求人を見る、申込みを保留にする、のどれにするかを自分の数字で決められます。収入が増えることを約束する記事ではありません。

この記事で渡すもの

  • 資格の費用を回収する年数の計算式
  • 通常の昇給と資格の効果を分ける考え方
  • 3つの場合を並べる記入表と、結果の読み方
資格費用と昇給の積み重ねを模型で比べるイメージ

回収年数の式と、混ぜてはいけない数字

式は1つです。

回収年数 = 資格取得にかかる総費用 ÷ 資格によって1年あたり増えると見込める収入

間違えやすいのは、割る側に入れる数字です。去年と今年の給与の差をそのまま入れると、定期昇給やベースアップ、評価による昇給まで「資格の効果」に数えることになります。それらは資格を取らなくても起きる増え方なので、分けて考えます。

割る側に入れてよいのは、次のように資格と結びつけて説明できる増え方に限ります。

  • 就業規則や給与規程に書かれた資格手当・合格一時金
  • 資格が、昇格や仕事の種類を変えることの条件になっていて、その昇格で増える額
  • 求人票で、その資格が必須または歓迎条件になっている仕事との年収差

去年の明細がない、手当の規程が見つからない、という場合は0円と書きません。「不明」と書きます。0円は「増えないと確認できた」という意味になり、不明とは別の結果だからです。

費用の側に入れるもの

講座の受講料だけを費用にすると、総額は小さく出ます。分かる範囲で次の項目を足しておきます。

項目 確認する場所 書き方
受験料 試験の実施団体の公式案内 受ける回数ぶん
教材費 テキスト・問題集の価格 買う予定のものだけ
講座の受講料 各講座の料金ページ 独学なら0円
再受験の費用 受験料と同じ 1回ぶんを別の行に書く
登録料・更新費用 資格の公式案内 ある資格だけ。年あたりの額も書く
勉強にかかる時間 自分の見積もり 金額に直さず、時間のまま別の欄に書く

時間は金額に直さなくてかまいません。ただし消さずに残しておきます。回収年数が同じ2つの資格で迷った時、必要な時間の差が判断の材料になります。

費用が減る場合もあります。勤務先に受験料や講座費用の補助の制度がないか、就業規則や社内の案内で確かめます。国の教育訓練給付金の対象の講座であれば、条件を満たすと費用の一部が支給されます。対象になる講座や受け取る条件は変わることがあるので、厚生労働省の案内で確かめてください。自分が当てはまるかどうかは、教育訓練給付を自分が受けられるかを、5項目で確かめる記事の手順で調べられます。

増える収入を、3つの場合で計算する

ここからは説明用の架空の数字を使います。総費用を72,500円(受講料60,000円、受験料7,500円、教材費5,000円、更新費用なし)と置いた例です。実際に計算する時は、自分の数字に入れ替えます。

場合 1年あたり増える収入 計算 回収年数
A. 資格手当だけが増える 月3,000円の手当 = 年36,000円 72,500 ÷ 36,000 約2.0年
B. 転職で年収差が出る 資格が条件の求人との差を年200,000円と見込む 72,500 ÷ 200,000 約0.4年(4〜5か月)
C. 収入が増えると確認できない 不明 計算できない 出せない

3つの場合それぞれに注意点があります。

A 資格手当だけが増える場合

手当の金額は税金や社会保険料を引く前の額なので、手取りで増える額はこれより少なくなります。また、手当がいつまで出るか、部署が変わった時や、退職した時に止まらないかを規程で確かめます。

B 会社を替えて年収の差が出る場合

年収の差は見込みで、いちばん不確かな数字です。求人票の年収の幅は、上限ではなく下限どうしで比べます。1件の求人だけで決めず、3〜5件見て、資格が本当に条件になっているかを確かめます。差のうち資格で説明できない部分(業界や会社の規模の違いなど)は、資格の効果に数えません。求人の読み方は、求人3〜5件の応募条件から、学ぶものを決める記事にまとめています。

C 増えると確かめられない場合

年数が出せないことは、失敗ではなく結果の1つです。この場合、その資格は「収入で回収する投資」として成り立つとは言えません。増えないと確認できたなら、収入を目的にした受験は見送ります。仕事で必要な知識を得る、応募できる求人を広げるなど、お金以外の理由で取る価値があるかどうかは、別に考えることになります。その理由を1行で書けるかを確かめる時は、資格の名前ではなく「できること」を1枚に集める方法が使えます。

計算の結果から、学ぶ・求人を見る・保留にするを選ぶ

年数が出たら、次の表で道を選びます。この分け方は、この記事での整理です。何年以内なら納得できるかは、ここでは決めません。その資格を使う仕事をあと何年続けるつもりかで変わるからです。

結果 選ぶ道 次にすること
Aだけで、自分が納得できる年数に収まる 学ぶ(資格) 今の会社にいるまま回収できる見込みがあります。手当の条件を書面で確かめてから進めます
Aは長いか不明で、Bなら収まる 先に求人を見る(転職) 回収は会社を替えることが前提になります。先に求人を見て、資格が条件になっているかを確かめます
AもBも不明、またはCしか書けない 保留(現状維持) 申込みを保留にします。先に「収入が増える条件」を会社や求人から集めます

更新費用がある資格は、もう1行足します。年あたりの更新費用が、年あたり増える収入を上回っているなら、何年持っていても回収は進みません。

選んだ先で、今日すること

学ぶと決めた人(Aで収まる)

就業規則か給与規程を開き、取りたい資格の手当の金額と、出る条件を書面で確かめます。確かめたら、費用の表の欄を上から埋めます。払ったあとに貯金が何か月分残るかも出しておきます。出し方は、講座代を払ったあとに、貯金が何か月分残るかを出す記事にあります。

学ぶと決めることと、講座に申し込むことは、別の決め事です。費用の表の「講座の受講料」の行は、講座を使うなら金額を、独学なら0円を書く行でした。下の広告は、その行に書く金額を確かめる先の1つで、オンラインの有料の資格講座です。

  • 向く人:回収年数が自分の納得できる年数に収まり、学ぶと決めた人。受講料がいくらかをまだ知らず、費用の表が埋まっていない人。
  • 向かない人:独学用の本をすでに決めた人。表でCしか書けなかった人(保留の手順が先です)。回収が会社を替える場合にだけ収まる人(求人を見るのが先です)。
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:試験を行う団体の案内と、市販の本の値段で、費用の欄は埋められます。

この講座が教育訓練給付の対象かどうかは、コースごとに違います。申し込む前に、講座検索システムでコースの名前を調べてください。

広告|オンラインの資格講座

資格講座の内容と費用を見る

広告です。受講は有料です。ボタンを押すと、広告主の講座の案内ページに移ります。ページを見るだけでは申込みになりません。

先に求人を見ると決めた人(Bなら収まる)

申込みより先に、その資格が条件になっている求人を3〜5件探します。年収は下限どうしで比べ、今の年収との差を表のBの行に書きます。資格が「必須」なのか「歓迎」なのかも、求人ごとに書き分けます。

保留にすると決めた人(Cしか書けない)

就業規則か給与規程を開き、取りたい資格の手当があるかを調べます。見つかれば金額を、見つからなければ「不明」と表のAの行に書きます。どの行も不明のままなら、調べる先を変えます。規程で分からなければ人事や上司に、求人で分からなければ資格の試験を行う団体の案内に当たります。会社への聞き方は、昇給の条件を「いつ・いくら・何ができたら」で聞く記事を使えます。

回収年数は、費用の総額と、資格と結びつけて説明できる収入の増え方がそろって、はじめて出せます。手当だけで納得できる年数に収まるなら、手当の条件を書面で確かめてから学びます。会社を替える場合にだけ収まるなら、申込みより先に求人を見て、その資格が条件になっているかを確かめます。どちらも分からないなら、申込みは保留にして、増える条件を会社と求人から集めます。今日することは1つです。就業規則か給与規程を開き、取りたい資格の手当の金額を、見つからなければ「不明」と表に書いてください。0円とは書きません。

出典・この記事の前提

  • 厚生労働省「教育訓練給付金」(2026年10月10日確認)。対象講座や支給の条件は変わることがあります。
  • 回収年数の式と3つの場合分けは、CareerPivotが整理した確認用の方法です。収入が増えることを保証するものではありません。
  • 表の金額(72,500円、月3,000円、年200,000円など)はすべて説明用の架空の数字です。
  • 税金や社会保険料の扱いは人によって異なります。個別の金額は勤務先や専門家に確認してください。