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パートナーの応援が重い時は、応援を1つずつ紙に書き出して「続けてほしい」「やめてほしい」「形を変えてほしい」の3つに分けると、何を頼めばよいかが決まります。「応援してるよ」「今日はどうだった?」「この求人、合いそうだよ」。言葉や行動を5つ書けば、感謝を先に置いた頼む一文まで作れます。転職活動を続けるか、先に学ぶか、いったん止めるかも、同じ紙から決められます。
ありがたいのに、言われるたびに失敗できなくなる
あなたは今、転職活動をしています。パートナーは反対するどころか「応援してるよ」と言い、合いそうな求人を探して送ってくれます。面接のあった日には「今日はどうだった?」と聞いてくれます。
あなたはそれをありがたいと思っています。それなのに、言われるたびに「失敗できない」という気持ちが強くなっています。応募した先から返事が来ない日は、聞かれる前から答えを考えてしまいます。ありがたいと思っている相手に「少し重い」とは言いにくく、言えないまま活動を続けています。
ここで起きているのは、パートナーの応援を1つのかたまりとして受け取っている、ということです。かたまりのままだと、選べるのは「全部受け取る」か「全部断る」の2つだけになります。全部受け取ると苦しく、全部断るのは本心ではありません。だから、頼むことも断ることもできなくなります。
解き方は、かたまりを分けることです。応援の中には、なくなったら困るものと、形が合っていないだけのものが混ざっています。分ける作業は、紙1枚でできます。
手順1 パートナーが言うこと・してくれることを5つ書き出す
紙を横向きに置き、左はしに縦に5行、パートナーが言うことと、してくれることを書きます。スマートフォンのメモや表計算ソフトでもかまいません。
言葉は、言われたとおりに書きます。行動は「何を、どんな時に」まで書きます。たとえば、次のような5つです。
- 面接や応募のあった日に「今日はどうだった?」と結果を聞く
- 合いそうな求人を見つけて、メッセージで送ってくれる
- 応募書類を書く日に、家のことを代わってくれる
- 返事が来なかった時に「大丈夫だよ」と言う
- 転職活動のことを、親や友人に話している
書く時の決まりは1つだけです。起きたことだけを書き、パートナーの気持ちを想像して書かないこと。「期待しているから聞いてくる」「早く決めてほしいと思っている」は、あなたの想像で、起きたことではありません。想像を混ぜると、次の仕分けで全部が重く見えてしまいます。
5つ思いつかない時は、この1週間のやりとりを朝から順に思い返します。5つより多く出てきた時は、回数の多いものから5つ選びます。
手順2 3つの列に仕分ける
5行の右に、列を3つ作ります。見出しは「続けてほしい」「やめてほしい」「形を変えてほしい」です。1行につき、丸を1つだけつけます。
| パートナーが言うこと・してくれること | 続けてほしい | やめてほしい | 形を変えてほしい |
|---|---|---|---|
| 「今日はどうだった?」と結果を聞く | ○ | ||
| 求人を送ってくれる | ○ | ||
| 家のことを代わってくれる | ○ | ||
| 「大丈夫だよ」と言う | ○ | ||
| 親や友人に話している | ○ |
上の丸のつけ方は、説明のための例です。同じ行でも、人によって入る列は違います。「大丈夫だよ」がうれしい人もいれば、通らない日が続いている時には重い人もいます。
どの列か迷った時は、次の順に自分に聞きます。
- それが明日からなくなったら、困るか。困るなら「続けてほしい」。
- 困らないなら、それがあった日の夜、応募や準備の手が止まるか。止まらないなら、やはり「続けてほしい」でかまいません。
- 手が止まるなら、その言葉や行動そのものが要らないのか、時や回数や相手が合っていないだけなのかを考えます。そのものが要らないなら「やめてほしい」。合っていないだけなら「形を変えてほしい」。
「やめてほしい」に丸をつけた行は、もう一度だけ見直します。形を変えれば続けてほしいものが、まぎれていることがあるからです。
仕分けが終わったら、「続けてほしい」の列に丸が1つ以上あるかを確かめます。この列は、あとでパートナーに頼む時に、感謝として最初に伝える材料になります。1つもない時は、書き出した5つが重いものにかたよっていないかを見直し、この1か月で「助かった」と思った言葉や行動を1行足します。足そうとしても何も出てこない時は、応援の形ではなく、活動そのものへの気持ちを先に確かめたほうがよい状態かもしれません。手順3の3つ目の問いを、とくにていねいに読んでください。
「形を変えてほしい」の中身を決める
「形を変えてほしい」に入れた行には、どう変えてほしいのかを横に書き足します。ここが空のままだと、頼む時に「あまり聞かないでほしい」というあいまいな言い方になり、パートナーは何をすればよいのか分かりません。
- 結果を聞く → 聞かれる前に、自分から話す。
- 結果を聞く → 話すのは決まった時だけにする。たとえば「面接の結果が出た時」「内定が出た時」。
- 求人を送ってくれる → 送るのは止めてもらい、頼んだ時に一緒に見てもらう。
- 「大丈夫だよ」と言う → 結果の話はせず、「おつかれさま」だけにしてもらう。
- 親や友人に話している → 話すのは、行き先が決まってからにしてもらう。
手順3 重い列に入った行から、重さの理由を読む
「やめてほしい」「形を変えてほしい」に入った行を見て、なぜそれが重いのかを考えます。この記事では、重く感じる理由を3つに分けます。これはこの記事での整理で、性格を判定するものではありません。
| 見分ける問い | 重く感じる理由 | 合う道 |
|---|---|---|
| 活動は進んでいて、苦しいのは途中の経過を聞かれることか | A:経過を見られている | 転職 |
| 応募しても通らず、応援に応えられないことが苦しいのか | B:落ちるたびに申し訳ない。行きたい仕事に知識や経験が足りない | 資格 |
| 応援されるほどには、自分は会社を替えたいと思っていないのではないか | C:自分の気持ちが応援に追いついていない | 現状維持 |
2つ以上に「はい」と答えた人は、表の下から順に確かめます。3つ目の問いに「はい」ならC。3つ目が「いいえ」で2つ目が「はい」ならB。どちらも「いいえ」ならAです。下から見るのは、会社を替えたい気持ちそのものが弱い時に、頼み方や学び方を先に整えても、苦しさが残るためです。
仕分けた表も手がかりになります。重い列に入ったのが「結果を聞く」だけならAに近く、「大丈夫だよ」や「求人を送ってくれる」まで重いならBに近く、5行のほとんどが重い列に入り、とくに「親や友人に話している」が重いならCに近い、と読めます。あくまで目安で、決めるのは上の3つの問いへの自分の答えです。
転職・資格・現状維持のどれを選ぶか
3つの道は、次の基準で選びます。
- 転職(活動を続ける):書類が通る、面接に進むなど、活動そのものは動いている。苦しさは、聞かれ方や話す時にだけある。
- 資格(先に学ぶ):応募しても通らない状態が続き、通らなかった先が求めている知識や経験の中に、自分にないものが見えている。
- 現状維持(いったん止める):会社を替えたい理由より、今の会社に残りたい理由のほうがはっきり書ける。
この基準の中に、パートナーがどれだけ応援してくれているかは入れません。応援の大きさで道を選ぶと、「これだけ応援されているのだから続けるしかない」という決め方になり、最初の苦しさに戻ります。
Aの人:話す時を決めて、活動を続ける
- 手順1・2の表を作る。
- 「形を変えてほしい」に入れた行について、「話すのは、こういう時にする」と頼む一文を決める。
- 伝えたうえで、活動を今のまま続ける。
使うものは、仕分けた表です。頼む一文は、感謝を先に、頼みを後に置きます。感謝は「いつもありがとう」ではなく、表の「続けてほしい」に丸をつけた行を1つ、名前を出して言います。
例:「書類を書く日に家のことを代わってくれるの、すごく助かってる。これからもお願いしたい。1つだけ頼みがあって、結果は、出た時に自分から話すようにしたい。聞かれると、まだ何も決まっていない日に答えを探してしまうから」
例:「求人を探してくれてありがとう。うれしいんだけど、今は自分で決めた数だけ見るようにしたいから、送るのはいったん止めてもらって、見てほしい時にこっちから声をかけるね」
詰まりやすいのは、「頼んだら冷たく聞こえそう」と感じて言い出せない時です。この時は、頼みの文を短くするのではなく、感謝の文を具体的にします。何が助かっているのかが相手に伝わっていれば、後に続く頼みは「応援を断る話」ではなく「応援の形を合わせる話」として聞いてもらいやすくなります。
もう1つ詰まるのは、頼んだあとも、つい聞かれてしまう時です。聞く習慣は、すぐには変わりません。その時は、もう一度説明し直すのではなく、短い返事を決めておきます。
例:「気にしてくれてありがとう。動きがあったら話すね」
活動が進んで内定が出たとき、親にどう伝えるかが気になる人は、内定より親への報告が怖い。転職を伝える順番と最初の一文で、伝える順番と最初の一文を決められます。
Bの人:先に学ぶと決めて、期間を数字で伝える
- 通らなかった応募先を、紙に全部書き出す。
- それぞれの募集に書かれていた「求める知識・資格・経験」を、応募先の横に書き写す。何度も出てくるものを3つ選ぶ。これが、行きたい仕事で求められることの3つです。
- 3つのうち、自分にないものに丸をつける。その中から、学べば手に入るもの(資格、検定、知識)を1つ決める。
- パートナーに「先に学ぶ。期間は◯か月」と伝える。
使うものは、応募した時の記録と、選んだ1つの教材や講座の案内です。
通らなかった理由は、応募先から知らされないこともあります。だから、足りないものは自分で調べて見当をつけるしかありません。3つを調べた結果、3つとも自分にすでにあるなら、通らない理由は知識や経験の不足ではないかもしれません。その時は見分ける問いに戻り、Aの進め方で活動を続けます。
詰まりやすいのは、「応援してくれているのに、活動を止めて勉強すると言ったら、がっかりさせそう」と感じる時です。この時は、学ぶ中身と期間を数字で伝えます。期間は、教材や講座の案内に書かれた学習時間の目安を、週に使える時間で割って出します。
例の数字:目安が120時間、使えるのが週8時間なら、120÷8=15週。およそ3か月半。
例:「これまで応援してくれてありがとう。応募した5社を見直したら、3社が同じ資格を条件にしていて、自分にはそれがなかった。だから応募をいったん止めて、先にその資格の勉強をする。週に8時間使って、3か月半で終える計画にした。そのあいだ、勉強する時間に家のことを代わってもらえると助かる」
「止める」だけを伝えると、パートナーには活動をあきらめたように聞こえます。何を、いつまで学ぶのかが数字で入っていれば、止めるのではなく順番を入れ替えたのだと伝わります。あわせて、表の「続けてほしい」に入れたことを、学ぶあいだも続けてほしいと頼みます。
講座を使うかどうかで迷う時は、『講座代を払う前に出す4つの数字』で、払ったあとに残る貯金と、学び終えるまでの週の数を先に出せます。
Cの人:いったん止めると伝え、今の会社で変えたいことを頼む
- 紙の左に「会社を替えたい理由」、右に「今の会社に残りたい理由」を書いて並べる。
- パートナーに「いったん止める」と伝える。
- 左に書いた理由の中から、今の会社で変えられそうなものを1つ選び、上司に頼む。
左の例:「仕事の量が多く、帰りが遅い」「給料が上がりにくい」
右の例:「今の仕事の進め方に慣れている」「一緒に働きたい人がいる」「帰る時間は遅いが、休みの日は読める」
左右を書く時は、パートナーに説明するための理由ではなく、自分が本当に思っていることを書きます。左には、活動を始めた時に人に話した理由が先に出てきやすいので、書いたあとで「これは今も思っているか」を1行ずつ確かめ、思っていないものには線を引きます。
使うものは、左右に理由を並べた紙です。右の「残りたい理由」は、りっぱなものでなくてかまいません。上の例くらいの短い言葉で足ります。右のほうがはっきり書けたなら、活動を始めたきっかけは、会社を替えたい気持ちよりも、応援を受けたことのほうにあったのかもしれません。それは、だれかが悪いという話ではありません。
動かない理由が家族の側にあるのか、自分の側にあるのかを確かめたい人は、『「家族がいるから」の続きを書く4つの問い』が使えます。
詰まりやすいのは、ここまで応援してもらった手前、言い出せない時です。書き出しを決めておくと、言いやすくなります。
例:「応援はうれしい。でも今は、活動をいったん止めたい。書き出してみたら、会社を替えたい理由より、今の会社に残りたい理由のほうがはっきりしていた。替えたい理由だった仕事の量のことは、先に上司に話してみる。また動きたくなったら、その時は自分から言うね」
上司には、左に書いた理由を、頼みの形にして伝えます。
例:「今の担当の量だと、毎日の帰りが遅くなっています。1つを後ろにずらすか、分けていただくことはできないでしょうか」
「やめる」ではなく「いったん止める」と言うのは、会社を替える道をなくすわけではないからです。止めているあいだにすることは1つ、上司に頼むことです。
今日、紙に書くこと
活動を続ける人(転職)
パートナーの応援を5つ書き出します。仕分けと頼む一文は、5つが紙に出てからで足ります。活動そのものは、今のやり方のまま進めます。転職サイトやハローワークで自分で探して応募する形でも、相談先を使う形でも、頼む一文の作り方は変わりません。
先に学ぶ人(資格)
通らなかった応募先を書き出します。会社の名前の横に、応募した日と、覚えている範囲の応募の条件を書きます。3つを選ぶ作業は、この一覧ができてから始めます。学ぶ手段は、本、通信講座、通学の講座などから、週に使える時間に合うものを選びます。
学ぶと決めることと、講座に申し込むことは、別の決め事です。学ぶ手段を選ぶ時の選択肢の1つに、オンラインの資格講座があります。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。
- 向く人:通らなかった応募先の条件を書き出して、自分にない資格や知識を1つに決めた人
- 向かない人:条件の3つとも自分にすでにあった人(Aの進め方に戻ります)。足りないものが、学ぶだけでは手に入らない経験だった人
- 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
- 使わない場合:本や通学の講座でも、案内にある学習時間の目安を週に使える時間で割れば、パートナーに伝える期間は同じ式で出せます
いったん止める人(現状維持)
今の会社に残りたい理由を1つ書きます。1つ書けたら、紙の右がわの1行目ができたことになります。
どの道でも、パートナーに伝える一文は、感謝を先に、頼みを後に置きます。応援を断るのではなく、受け取れる形に合わせてもらうための一文です。