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子どものいる暮らし

子どもが小さいうちは転職するな、はいつまでか。時期の決め方

約14分で読めます

預け先と急な休み、働く時間を確かめて転職の時期を選ぶ家族

「子どもが小さいうち」を、預け先・急な休み・働く時間の3つの条件に直します。子どもの節目と制度が使える期間を1本の線に並べ、今動くか、時期を決めて学ぶか、制度が切れる日まで残るかを日付で決められます。

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この記事を読むと、「子どもが小さいうちは動かない方がいい」の「うち」を3つの条件に直し、「この条件がそろったら動く」を日付で決められます。今動くのか、時期を決めて学ぶのか、今の職場の制度が切れる日まで残るのかも、同じ1本の線の上で選べます。

「いつまで」を言ってくれる人はいない

職場の先輩に、転職を考えていることを少しだけ話しました。返ってきたのは「子どもが小さいうちは動かない方がいいよ」。うなずきました。では、いつならいいのか。先輩は言わず、こちらも聞きませんでした。

この言葉が困るのは、まちがっているからではありません。終わりが書かれていないからです。2歳は小さい。5歳も小さい。小学1年生も、親から見ればまだ小さい。「小さいうち」を年齢のまま受け取ると、終わる日が決まりません。

先輩が言いたかったのは、おそらく年齢そのものではありません。子どもが小さい時期に会社を移ると困ることがある、という中身のほうです。その中身を取り出せば、年齢ではなく条件で考えられるようになります。

「小さいうち」を、3つの条件に言い直す

ここからは、この記事での整理です。子どもが小さい時期の転職で困ることを、次の3つにしぼります。

  1. 預け先が変わらない
  2. 急な休みが取れる
  3. 働く時間が今より長くならない

この3つがそろうなら、子どもが何歳でも動けます。そろわないなら、そろう日を調べます。それぞれについて、法律で決まっていること、会社ごとに違うこと、住んでいる自治体ごとに違うことを分けます。以下は、厚生労働省とこども家庭庁の資料で2026年10月11日に確かめた内容です(条件1の認定の決まりは、2026年10月31日に法令で確認)。今後変わることがあります。

条件1:預け先が変わらない

保育所などを使うには、市町村から「保育が必要である」という認定を受けます。認定の理由の1つが、保護者が働いていることです。必要な働く時間の下限は、原則として月48時間から64時間の範囲で市町村が決めます(以前から48時間より短い時間にしていた市町村には、2030年3月31日まで、64時間を超えない範囲で決めた時間を使える経過措置があります)。保護者のどちらもが、認定の理由に当たることが条件です。

仕事を探している期間も、認定の理由に入っています。ただし、その場合の認定は、90日を限度に市町村が決めた期間が過ぎる日の、その月の末日までです。90日より短く決めている所もありえます。

国の決まりで確かめられたのは、この枠までです。会社を移ったときの届出の期限、前の会社を辞めてから次の会社に入るまで間が空く場合の扱いは、自治体ごとに違います。動く前に、住んでいる市区町村の保育の担当窓口で、次の2つを確かめます。

  • 勤務先が変わったときに出す書類と、出す期限
  • 退職から入社まで( )日空く場合に、今の園をそのまま使えるか

条件2:急な休みが取れる

子どもの発熱などで休むための制度が、子の看護等休暇です。対象は、小学校3年生が終わるまでの子を育てる人。法律上の日数は1年度に5日、子が2人以上なら10日で、原則として時間単位でも取れます。使える理由は、病気やけがの世話、予防接種や健康診断、感染症による学級閉鎖など、入園式・入学式・卒園式です。

2025年4月から、入社して6か月たっていない人を労使協定で対象から外す仕組みはなくなりました。移ってすぐでも対象になる方向です(週の所定労働日数が2日以下の人は、協定で外せます)。休んだ時間の給料が出るかどうかは、確かめた資料には書かれていなかったので、会社ごとに確かめる点です。

年次有給休暇は、法律の最低ラインでは、入社から6か月続けて働き、8割以上出勤した時点で10日つきます。入社した日に前倒しでつける会社もあるので、内定のときの書面や就業規則で確かめます。

条件3:働く時間が今より長くならない

働く時間に関わる制度は、子どもの年齢で区切られています。3歳になるまでは、短時間勤務の制度を用意することが会社の義務です。小学校に入る前までは、残業の免除(所定外労働の制限)を会社に請求できます。

注意するのは、入社してすぐの扱いです。短時間勤務と残業の免除は、会社に労使協定がある場合、入社して1年たっていない人を対象から外せることになっています。協定がない会社では、入社1年未満でも対象です。どちらなのかは、移る先の就業規則と労使協定で決まります。

入社して1年のあいだは使えないことがある制度が自分に関わるかは、『子どもがいると転職は不利、は本当か。不利になる条件を先に知る』の4つの条件で数えられます。

子どもの節目と制度の期間を、1本の線に並べる

3つの条件がいつそろうのかを見るために、線を1本引きます。上の段に子どもの節目、下の段に制度の期間を書きます。下の段は、法律で決まっている範囲と、会社ごとの決まりに分けます。

時期 上の段:子どもの節目 下の段①:法律で決まっている制度 下の段②:自分の会社の決まり
1歳になるまで 保育園に入る(入園) 育児休業(原則1歳まで。保育所に入れないなどの条件で1歳6か月、2歳まで) ( )
3歳の誕生日まで 3歳の誕生日 短時間勤務(会社の義務)。テレワークを選べるようにすることは会社の努力義務 短時間勤務は( )まで
3歳から小学校に入る前 幼稚園に通う子は入園 柔軟な働き方のための措置(会社が5つの中から2つ以上を用意し、本人が1つを選ぶ) 用意されているもの:( )( )
生まれてから小学校に入る前 小学校入学 残業の免除、時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)、深夜業の制限 ( )まで
小学校入学から3年生の終わり 預け先が、保育園から放課後児童クラブなどに変わる 子の看護等休暇(3年生が終わるまで) 年( )日
小学校4年生から ( ) この記事で確かめた資料の範囲では、続く制度を確認できていない 会社独自の制度:( )

3歳から小学校に入る前の「5つ」とは、始業時刻の変更、テレワーク、保育施設の設置運営など、養育両立支援休暇、短時間勤務です。2025年10月に始まった決まりで、どれが用意されているかは会社ごとに違います。短時間勤務が選ばれていない会社では、3歳の誕生日で短時間勤務が使えなくなることがあります。

線から読み取れること

法律の上で制度が切れる日は、大きく3つです。3歳の誕生日、小学校入学、小学校3年生の終わり。「小さいうち」の終わりの候補は、この3つの日付です。

ただし、会社が独自に長くしている場合があります。小学校に入ったあとも短時間勤務を認めている会社もあります。「小学校に入ると短時間勤務は使えなくなる」と決めつけず、下の段②を自分の会社の就業規則で埋めてください。

もう1つ、小学校入学は預け先が変わる節目です。放課後児童クラブについて、こども家庭庁の集計(2025年5月1日時点)では、利用できなかった児童が全国で16,330人、18時半を超えて開いているクラブは全体の約62%でした。全国の数字なので、自分の地域の様子は市区町村に確かめる必要があります。入学の年は、条件1の「預け先が変わらない」が、移らなくてもいったん崩れる年です。

自分の線を書く

  • 子どもの3歳の誕生日:( )年( )月( )日
  • 小学校入学:( )年4月
  • 小学校3年生の終わり:( )年3月
  • 今の会社で、短時間勤務が使える最後の日:( )年( )月( )日
  • 今の会社で、残業の免除が使える最後の日:( )年( )月( )日

子どもが2人以上いる人は、下の子の日付で書きます。

線を見ながら答える、3つの問い

原因の分け方は、この記事での整理です。線を手元に置いて、順に答えます。

問い1:3つの条件を満たす会社なら、今でも動けるか。
「動ける」と答えた人は、原因Aです。止めていたのは子どもの年齢ではなく、条件を満たす会社があるかどうかでした。

問い2:動く時期は先でも、行きたい仕事は決まっているか。その仕事に、今の力で応募できるか。
「今は動けない。そして、行きたい仕事に今の力では届かない、または行きたい仕事がまだ決まっていない」と答えた人は、原因Bです。待つ時間を、力をつける時間に使えます。

問い3:今の職場の制度が切れる日を、知っているか。
「今は動けない。理由は、今の職場の制度を使っているから」と答えた人は、原因Cです。切れる日を知らないまま残っているなら、なおさらCです。

原因 合うルート
A:条件がそろえば、今でも動ける 転職
B:動くのは先。その時に通じる力がいる 資格
C:今の職場の制度が使える間は、ここにいる理由がある 現状維持

ここからは、原因Cから順に書きます。今の暮らしを変える所が小さい順です。

原因Cの人:制度が切れる日を調べ、「動き始める日」にする

今の制度を使えているなら、残るのは理にかなっています。足りないのは、終わりの日付だけです。日付がないと、「小さいうち」は制度が切れたあとも続きます。

手順

  1. 今使っている制度の名前を書く。
  2. 就業規則で、その制度が使える最後の日を調べる。
  3. その日を線に書き込み、横に「動き始める日」と書く。

制度が切れる日を「動き始める日」にするのには理由があります。制度が切れたあとなら、会社を移っても手放す制度がありません。入社してすぐは使えない制度がある会社に移っても、もともと使わない時期なら困りません。

使うもの

就業規則と、育児に関する決まりを書いた社内の資料。就業規則の本体とは別の冊子になっていることもあります。

詰まる所:切れる日が分からない

就業規則の中で、次の言葉を探します。

  • 「短時間勤務」または「所定労働時間の短縮」
  • 「所定外労働の制限」
  • 「子の看護等休暇」
  • 「対象となる従業員」「適用する期間」と書かれた部分

見る所は、「子が( )歳に達するまで」「小学校( )年生の終わりまで」のように、年齢や学年が書かれた一文です。短時間勤務が3歳になるまで、残業の免除が小学校に入る前までなら、法律と同じ内容です。それより長い年齢や学年が書かれていれば、会社独自の上乗せです。

読んでも分からないときは、人事にこう聞きます。

「短時間勤務は、子どもが何歳の何月まで使えますか。小学校に入ったあとに使える制度があれば、あわせて教えてください。」

原因Bの人:動く日から逆に数えて、学ぶものを1つ決める

動くのは先。それなら、その日までの時間は、行きたい仕事に届く力をつけるために使えます。ルートは資格です。

手順

  1. 動く時期を線に書く。3歳の誕生日、小学校入学、3年生の終わりのうち、自分の条件がそろう日を選びます。
  2. 行きたい仕事を1つ書く。決まっていない人は、今の仕事の中で「これは続けたい」と思う作業を1つ書き、その作業が中心になる仕事を探します。
  3. その仕事に応募するために要る知識や資格を調べ、1つだけ選ぶ。
  4. 子どもが寝たあとの時間で進める。

使うもの

書き込んだ線、選んだ資格の試験の案内(試験の日、学習時間の目安)。

詰まる所:時間がない

動く日が決まっているので、そこから逆に数えられます。

例:動く日まで12か月(52週)ある場合。子どもが寝たあとの30分を、週に4日使うとします。1週間で30分×4日=120分(2時間)。52週で2時間×52=104時間です。

この104時間を、試験の案内に書かれた学習時間の目安と比べます。目安が104時間より小さければ、その資格は動く日に間に合う見込みがあります。大きければ、選ぶ資格を変えるか、動く日を線の上で1つ先の節目に動かします。寝る時間を削って合わせることはしません。子どもが熱を出した週は進まないので、余りを見ておきます。

資格を取れば希望の仕事に就ける、と約束できるものではありません。動く日に「応募の条件を満たしている」状態を作るための手段です。

原因Aの人:3つの条件を自分の言葉で書き、先に伝えて探す

条件がそろえば動ける人は、待つ理由がありません。待っているあいだに3歳の誕生日や小学校入学が来ると、今の職場の制度も切れていきます。ルートは転職です。

手順

  1. 3つの条件を、自分の場合の言葉に直す。
  2. 条件を、応募の早い段階で伝える。
  3. 内定が出たら、入社を決める前に、条件に関わる決まりを書面で確かめる。
条件 自分の言葉で書くと(例) 確かめる先
預け先が変わらない 今の園に( )時までに着ける。退職から入社まで( )日以内 市区町村の保育の担当窓口
急な休みが取れる 子の看護等休暇を入社してすぐ使える。年次有給休暇が入社から( )か月以内につく 移る先の就業規則、内定のときの書面
働く時間が長くならない ( )時に会社を出られる。残業の免除を入社1年未満でも請求できる 移る先の就業規則と労使協定

詰まる所:条件を言うのが怖い

3つの条件は、入社したあとに毎日ぶつかることです。言わずに入っても、最初の発熱の日に分かります。先に伝えて合わない会社は、条件がそろわない会社だったということです。

次の手:伝える一文

「子どもが( )歳で、保育園に預けています。お迎えのため、( )時に会社を出る必要があります。発熱のときは、休暇か在宅での勤務で対応したいと考えています。この働き方で担当できる仕事かどうかを、先に確認させてください。」

最後の一文は、お願いではなく、お互いに合うかどうかを確かめる形にしています。

短い時間で働きたい人は、『転職の面談で時短希望を言うと不利か。言う時期と言い方を決める』で、働ける時間を時刻で書き、いつ言うかを3つの場所から選べます。

線の上のどこにいるかで、ルートが決まる

選ぶ基準は、線の上で自分が今どこにいるかです。

3つの条件を満たす会社があれば今でも動ける人は、転職。子どもの年齢が上がるのを待つと、今の職場で使える制度が先に減っていきます。

条件がそろうのは先で、行きたい仕事に力が届いていない人は、資格。動く日が決まっていれば、学ぶ量も決まります。

今の制度を使っていて、切れる日がまだ先の人は、現状維持。切れる日を書いた時点で、「小さいうち」に終わりができます。

迷ったら、問い1に戻ります。「条件がそろえば今でも動けるか」に「はい」と言えるかどうかが、最初の分かれ目です。

線に書き込む、最初の1つ

転職を選んだ人

3つの条件を書きます。「預け先」「急な休み」「働く時間」の3行で、それぞれ時刻や日数を入れます。書けたら、預け先について市区町村の窓口に聞くことを2つ、その下に足します。条件の紙と、窓口で聞くことのメモがあれば、求人を見て応募する所までは一人で進められます。有給を使わずに応募や面接の段取りを組みたいときは、子どもの行事で有給が尽きた。休みを使わず転職活動を進める段取りを読んでください。

資格を選んだ人

動く時期を線に書きます。3歳の誕生日、小学校入学、3年生の終わりのうち1つに丸をつけ、今日からその日までの週の数を数えます。週の数に、1週間に使える時間をかけると、学べる時間の合計が出ます。資格を選ぶのは、この合計の数字が出たあとです。試験の案内は、試験を行う団体の公式の資料で確かめます。

学ぶと決めることと、どの講座に申し込むかを決めることは、別の決め事です。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。扱っている資格は講座ごとに決まっています。

  • 向く人:動く時期に丸をつけ、その日までに学べる時間の合計を出し、試験の案内の学習時間の目安と比べた人。
  • 向かない人:学べる時間の合計をまだ出していない人(先に計算します)。3つの条件がそろえば今でも動ける人(原因Aへ)。
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:試験を行う団体の資料と本で、同じ手順を進められます。

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現状維持を選んだ人

制度が切れる日を調べます。就業規則を開き、今使っている制度の名前を探して、年齢や学年が書かれた一文を見つけます。その日付を線に書き、横に「動き始める日」と書けば、今日の分は終わりです。