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会社に資格取得の支援や研修の制度があると聞いても、それだけでは何も始まりません。制度があることと、自分がそれを使えることは別だからです。対象者、申請の方法、上司の承認、時間、費用、利用の実績の6つを確かめると、申請するのか、会社の外で学ぶのかを決められます。
読み終えると、6つの項目をどこで調べ、誰に何と聞くかが分かります。使える制度なら小さなもので1回申請し、使えない制度なら外で学ぶ方法と費用の出どころを決めます。
もくじ

「制度がある」と「自分が使える」は別のこと
「制度はあります」という説明は、制度があることを伝えています。誰が対象で、どう申請し、実際にどのくらい使われているかまでは伝えていません。そこは、聞いた側が確かめる部分です。
確かめないまま時間がたつと、制度はあるのに使っていない、という状態だけが続きます。使えない制度だった場合も、それが分かれば別の方法に切り替えられます。どちらにしても、確かめることで次に進めます。
制度があるかどうかも分からないとき
「制度はあります」と言われたことがなく、そもそも勤め先に補助があるのかを知らない人もいます。その場合は、6項目の前に、有無を確かめます。講座や受験を申し込む前に済ませておきます。申し込む前の申請を条件にしている会社では、申し込んだあとだと対象にならないことがあるからです。
見る場所は3つ
- 就業規則の、教育訓練や研修について書かれた章
- 給与の決まり(賃金規程など)の、手当の項目。資格の手当や、合格した時の一時金が書かれていることがあります
- 別に作られた決まり。名前は会社によって違うので、社内の共有フォルダや掲示板を、次の語で探します:「資格」「受験料」「自己啓発」「教育訓練」「報奨金」
どこにも見当たらない、決まりの置き場所が分からない、という場合は、探すのをやめて聞きます。
聞く相手は、上司より先に人事・総務
制度があるかどうかは、上司が決めていることではなく、会社の決まりだからです。上司に話すのは、次のどれかに当たる時でかまいません。
- 申請に、上司の承認や推薦が要ると分かった
- 業務との関連を説明する必要がある
- 受験の日に休みを取りたい
人事・総務へ送る文の例
お疲れさまです。○○部の△△です。業務に関連する資格の勉強を考えており、受講料や受験料の補助の制度があるかを伺いたく、ご連絡しました。制度がある場合は、対象になる資格、申請の時期(講座の申込みより前に申請が要るか)、必要な書類を教えていただけますか。該当する決まりの名前だけでも教えていただけると助かります。
返事が来ない時は、質問を1つに絞って送り直します。聞くことが多いと、返事に時間がかかることがあります。申込みの締切がある人は、返事を待てる日数を先に決めておきます。
先日お送りした、資格の補助の件です。まず、制度があるかどうかだけ教えていただけますか。
「ある」と分かったら、次の6項目へ進みます。「ない」と分かったら、会社の補助は0円と決まるので、「使えない場合」の節へ進みます。
確かめる6つの項目
| 項目 | 確かめること | 調べる場所 |
|---|---|---|
| 対象者 | 雇用形態、勤続年数、職種、等級などの条件に自分が当てはまるか | 就業規則、制度の案内 |
| 申請の方法 | 申請書の有無、提出先、締切、受講の前と後のどちらに申請するか | 制度の案内、人事の窓口 |
| 上司の承認 | 承認が必要か。業務との関連を求められるか | 制度の案内、上司 |
| 時間 | 勤務時間内に受けられるか、業務時間外か | 制度の案内、上司 |
| 費用の補助 | 全額か一部か、上限額、合格が条件か、退職時に返還が必要か | 制度の案内、規程 |
| 利用の実績 | 部署や職種の近い人で、実際に使った人がいるか | 人事の窓口、同僚 |
6つ目の利用の実績は、案内には書かれていないことが多いものです。人事の窓口に「この制度を使った方は、年にどのくらいいらっしゃいますか」と聞くか、使ったことのある同僚に手続きの流れを聞きます。
費用の補助に、返還の条件が付いている場合があります。一定の期間内に退職すると返す必要がある、といった条件です。申請の前に規程で確かめておきます。
費用の補助で、もう一歩見る4点
表の「費用の補助」の行は、払う額と払う月に直接かかわります。次の4点まで見ておくと、自分の持ち出しがいくらになるかを計算できます。
| 見る点 | 確かめること | 分かること |
|---|---|---|
| 範囲 | 受講料、受験料、教材費のうち、どれが対象か | 自分で持つ費用がどれか |
| 時期 | 会社が先に持つのか、あとから本人に出るのか | あとから出る形なら、いったん全額を自分で払います。払う月の貯金は、補助がない場合と同じだけ減ります |
| 2回目 | 不合格だった時の再受験も対象か。1年度あたりの回数や上限はあるか | 2回目の受験料を自分で持つことになるか |
| 対象の資格 | 今の担当業務の資格だけか、担当外の資格も入るか。一覧はあるか | これから仕事の幅を広げたい資格が、対象に入るか |
4点のうち、案内に書かれていないものは、下の聞き方の例に1つずつ足して聞きます。「受験料も対象でしょうか」「支給は、申込みの前と後のどちらでしょうか」のように、はい・いいえか、一言で返せる形にすると、相手が返しやすくなります。
人事の窓口への聞き方の例
「資格取得の支援制度について確認させてください。対象者の条件と、申請の手順、締切を教えていただけますか。」
6つの答えから、道を選ぶ
6つの答えがそろったら、次の3つのどれかに進みます。
- 6つとも分かり、自分が使える:小さなもので1回申請します
- 分かったが、自分は使えない:会社の外で学ぶ方法を1つ選びます
- 制度は使えるが、学ぶ時間が取れない:制度の問題ではなく、時間の問題として扱います。使える時間を1週間記録して確かめます
まだ分からない項目が残っている人は、誰に聞けば分かるかを横に書き、聞く日を決めてください。
使える場合:1回申請してみる
6つを確かめて、自分が対象で、申請の方法が分かったなら、小さなもので1回申請してみます。金額の小さい講座や、短い研修でかまいません。1回通すと、承認にかかる日数や必要な書類が分かり、次からの手間が減ります。
上司の承認が必要な場合は、業務とどう関係するかを一文で説明できるようにしておきます。「月次の集計の精度を上げるために、表計算の講座を受けたい」といった形です。
使えない場合:外で学ぶ方法と、費用の出どころを決める
対象外だった、実績がほとんどなく申請しにくい、学びたい内容が制度の対象にない、という場合は、会社の制度に頼らない方法に切り替えます。
制度がないと分かった場合は、範囲を絞って1回だけ相談する
制度がなくても、業務で使う資格であれば、個別に相談する余地が残っていることがあります。全額を求めず、相手が判断しやすい大きさにして聞きます。
制度がないこと、承知しました。□□の資格は○○の業務で使うため、受験料だけでも、合格した場合だけでも、会社で負担いただける余地があるか、ご相談させてください。
通るかどうかは会社によります。断られたら、会社の補助は0円として、下の方法へ進みます。聞いておくと、「聞けば出たかもしれない」という引っかかりを残さずに、外で学ぶ計画を立てられます。
- 国の教育訓練給付金の対象講座であれば、条件を満たすと費用の一部が支給されます。対象講座と受け取る条件は、厚生労働省の案内で確かめられます(2026年10月時点)
- 書籍、無料の公開講座、図書館など、費用の小さい方法から始めます
- 学ぶ場所と時間を先に決めます。例えば、帰りの電車に乗ってから最初の10分、のように、毎日くり返す行動に結びつけます
国の給付金を使えるかどうかは、講座に申し込む前に確かめます。講座の種類によっては、受講を始める前にハローワークでの手続きが要るからです。講座代が戻る条件を先に確かめるに、確かめる5つの項目と、それぞれの確かめる先をまとめています。
給付も使えず自費になりそうな人は、回収年数を3つの場合で計算する方法で、費用が見合うかを先に出してください。
会社の制度が使えなかったことは、学べない理由にはなりません。ただ、費用と時間は自分で用意することになるので、小さく始めて、続けられるかを確かめてから広げます。
外で学ぶ方法の1つに、オンラインの資格講座があります。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。外で学ぶと決めることと、講座に申し込むことは別です。申し込むかどうかは、案内ページで講座の内容と費用を見てから決められます。
- 向く人:会社の制度が使えないと分かり、取りたい資格が決まっている人
- 向かない人:制度の確認がまだの人は、先に上の6つの項目を確かめてください。取りたい資格が決まっていない人は、先に学ぶものを1つ決めてください
- 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
- 使わない場合:書籍や図書館、国の教育訓練給付金の対象講座から、費用の小さい方法を選んで進められます
この講座が教育訓練給付の対象かどうかは、コースごとに違います。申し込む前に、講座検索システムでコースの名前を調べてください。
今日やること
今日やることは、就業規則か社内の案内を開き、制度の名前と対象者の条件を確かめることです。見つからなければ、人事の窓口に「資格取得の支援制度について、対象者の条件と、申請の手順、締切を教えていただけますか」と聞きます。