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休みが取れない職場から転職するか。有給取得率の読み方と判断条件

約12分で読めます

休みが取れない職場から転職するかは、休みを申請した結果の3つの事実で判断します。式が半年以内なら、式と新婚旅行の休みを今の会社で取ってからです。転職先で年休が付く時期と、求人の付与日数・取得率の読み分け、会社の数字を確かめる5点を扱います。

休みが取れない職場から転職するかは、次の休みを実際に申請した結果で判断します。見るのは3つで、休みの制度が足りていたか、申請に会社がどう応じたか、休んだあとの扱いがどうだったかです。半年以内に結婚式を控えている場合は、式と新婚旅行の休みを今の会社で取り、そのあとで判断する順番になります。法律上の年次有給休暇は、転職先では入社から6か月たって初めて付与されるのが原則で、退職すると今の会社に残っている分は消えるためです。求人の有給取得率は、付与日数・取得日数・取得率を分けて読み、会社が出す数字は期間・対象・分母を確かめます。

いまの段階:04 転職・学びも含めて次を判断
この記事で扱う悩み:結婚式を半年以内に控えているが、連続した休みの前例がない職場で、休みが取りづらい。このまま続けるか、転職するかを決められない。
この記事で分かること

  • 転職するかを決める3つの事実と、残る・社内で変える・式のあとに動くの分け方
  • 式の前に転職すると休みがどうなるか(年休が付く時期、求人票と労働条件通知書で読む欄)
  • 求人の有給取得率の読み方と、会社が出す数字を確かめる5つの点

前提:半年以内の式と、休みが取りづらい職場

この記事は、3つの条件で書いています。結婚式が半年以内にある。職場は年次有給休暇(以下、年休)の取得率が低く、続けて長く休んだ例がない。相手の勤め先は別の会社です。

3つの条件は、判断の前提を次のように決めます。

  • 式の日は動かせません。式場と2人と招待する人の都合で決まるためです。時期を選べるのは、新婚旅行と転職です。
  • 旅行に行けるのは、2人の休みが重なる週です。自分の勤め先を変えると、重なる週も変わります。
  • 式までの半年に、休みの申請を少なくとも1回します。その結果が、今の職場を判断する材料になります。

式と旅行の休みをまだ申請していない場合は、申請が先です。

式の前に転職すると、休みはどうなるか

年休は、雇い入れの日から6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10日付与されます(労働基準法第39条)。転職先では、この6か月を入社の日から数え直します。入社の時点で前倒しして付与する会社もありますが、法律上の義務ではありません。

今の会社に残っている年休は、退職の日に消えます。次の会社には引き継がれません。

結婚のときの休暇(慶弔休暇)を設けるかどうかは会社の任意で、法律上の義務はありません。転職先にあるか、入社して間もない人が対象に入るかは、その会社の就業規則で決まります。

この3つを、式までの時期に当てはめます。

転職の時期 式と旅行の休み 引き受けるもの
式の前に入社する 入社6か月未満だと、法律上の年休がまだない場合がある。結婚の休暇の対象かは会社ごと 入ったばかりの職場で長い休みを頼む。今の会社の年休は消える
式の前に活動し、式のあとに入社する 今の会社の休みか、退職から入社までの期間を使う 面接と式の準備が重なる。休みが取りづらい職場で、面接のための休みも要る
式のあとに活動を始める 今の会社の年休と結婚の休暇を使う 取りづらい職場に、その間とどまる

推奨は3つ目です。理由は3つあります。今持っている休みを使える。式の準備と転職活動が重ならない。申請の結果を見てから、動くかどうかを決められる。

すでに転職を決めていて内定がある場合は、2つ目になります。その場合に入社前に読める欄が2つあります。ハローワークの求人には「入社時の年次有給休暇日数」と「6ヶ月経過後の年次有給休暇日数」を書く欄があり、入社時が0日なら、最初の6か月は年休がない前提になります。内定のあとに受け取る労働条件通知書は、厚生労働省のモデル様式では「休暇」の欄に、継続勤務6か月以内の年休の有無と、その他の休暇(有給・無給の別)を書く形です。結婚の休暇があるか、有給かは、この欄と就業規則で読みます。

判断に使う3つの事実

式と旅行の休みを申請すると、次の3つが手元に残ります。

1. 制度が足りていたか

就業規則に結婚の休暇があったか。年休の残りと合わせて、旅行の日数を組めたか。足りなかった場合、足りなかったのは日数か、続けて取る決まりか。

2. 申請に、会社がどう応じたか

年休を取る時季は、労働者の請求で決まるのが原則です。会社が別の時季への変更を求められるのは、請求された時季に与えると事業の正常な運営を妨げる場合です。応じ方は3通りに分かれます。

  • 希望した週で取れた
  • 理由と別の時期を示されて、週を動かして取れた(原則の範囲内の調整です)
  • 理由も別の時期も示されないまま、認められなかった

3. 休んだあとの扱い

労働基準法は、年休を取った人に、賃金の減額その他の不利益な取扱いをしないようにしなければならない、と定めています(労働基準法附則第136条)。賞与などの計算で、年休を取った日を欠勤として扱うことも、この不利益な取扱いに当たる例として、厚生労働省の説明に示されています。休んだあとの賞与や手当の計算が、休む前と同じ考え方かを給与明細で見ます。

残る・社内で変える・式のあとに動く

3つの事実 選ぶ道 次にすること
制度は足りた。希望の週か、動かした週で取れた。扱いも変わらない 残る 今回の手順(伝えた時期、引き継ぎの形)を残し、次の休みでも使う
制度はある。取れなかった理由が、部署の人員や担当の偏りにある 社内で変える 休み中に代わる人がいない業務を一覧にして上司に渡す。動かなければ人事に、応援に入る人や担当替えの希望を出す
結婚の休暇がなく、年休も会社が日を決めた分のほかは取れていない。または、理由も別の時期も示されず認められなかった。または、休んだあとに不利益な扱いがあった 式のあとに転職を検討する 申請の記録(日付、相手、返事)を残す。不利益な扱いに当たるかは自分で決めず、まず人事か総合労働相談コーナーに確かめる。求人の休みの数字を、次の章の方法で読む

当てはめる順番は、上の行からです。残る道と社内で変える道は、今の賃金と勤続を保ったまま試せて、合わなければ下の行へ移れます。転職してから元の行へ戻ることは難しいためです。

転職活動の面接のための休みが取りにくい人は、子どもの行事で有給が尽きた。休みを使わず転職活動を進める段取りの進め方が使えます。

行を移る条件は、次の3つです。

  • 「残る」を選んだあと、翌年の取得が会社の決めた日だけに戻ったら、2行目へ移ります。
  • 「社内で変える」を選んで、次の評価面談までに業務の分担も配置も変わらなければ、3行目へ移ります。
  • 3行目に当たっても、人事や公的な窓口に相談したあとで会社の応じ方が変わったら、上の行に戻して見直します。

3行目のうち、理由を示されずに年休を認められない状態が続く場合は、転職とは別に、今の職場のことを相談する先があります。総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署の中などにあり、予約なしで、無料で相談を受け付けています。

求人の有給取得率の読み方

3つの数字を分ける

  • 付与日数:その年に会社が与えた年休の日数
  • 取得日数:実際に休んだ日数
  • 取得率:取得日数を付与日数で割った割合

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、令和6年の1年間で、労働者1人平均の付与日数は18.1日(前の年からの繰越を除く)、取得日数は12.1日、取得率は66.9%でした。常用労働者30人以上の民営企業で、期間を定めずに雇われている労働者(パートタイム労働者を除く)の数字です。産業別の取得率は、最も高い「電気・ガス・熱供給・水道業」が75.2%、最も低い「宿泊業,飲食サービス業」が50.7%でした。

求人を読む入口は、3つのうちどれが書かれているかを見分けることです。

求人票の「年次有給休暇日数」は付与日数

ハローワークの求人の「年次有給休暇日数」は、入社時と6か月経過後に付与される日数を書く欄です。取得の実績ではありません。フルタイムの求人で、6か月経過後の日数が10日なら、法律の下限と同じ日数で、休みやすさを表す数字ではありません。

相手が別の会社に勤めている場合は、年休の数字より先に、休日の曜日と年間休日数の欄を相手の休みと照らします。年休は申請して取る休みで、休日は申請しなくても重なる休みだからです。

取得の実績が載っている場所

  • 求人の自由記入欄:ハローワークの求人には、有給休暇の平均取得実績などを会社が任意で書く欄があります。書いていない会社もあります。
  • 厚生労働省の職場情報総合サイト:有給休暇取得率などの職場情報を、企業ごとに検索して比べるサイトです。掲載は152,380件(2026年10月1日時点)で、情報を登録・公表している企業に限られます。
  • 法律にもとづく情報公表:女性活躍推進法は、従業員101人以上の企業に情報の公表を義務づけています。「有給休暇取得率」は、企業が選んで公表する項目の1つです。選んでいない会社の数字は載りません。

載っていないことは、休みにくいことを意味しません。載っていない会社には、面接で聞きます。

会社が出す数字を確かめる5つの点

  1. 期間:どの年度の数字か
  2. 対象:正社員だけか、全員か。全社の平均か、職種や部署ごとか
  3. 分母:付与日数に、前の年からの繰越を含めているか
  4. 中身:会社が日を決めて休む分が、どのくらい含まれるか
  5. 連続:続けて取った休みの最長は何日か

長い休みに関わるのは4と5です。同じ調査で、年休の計画的付与(労使協定で休む日を割り振る制度)がある企業は40.8%でした。会社には、年休が年10日以上付与される人に年5日を取得させる義務もあります。取得日数が多くても、会社が決めた日に休む分が中心なら、自分で選んだ週に続けて休めるかは別の話です。取得率からは、連続して何日取れるかは分かりません。

面接や面談で聞く場合の文例です。

  • 「年次有給休暇の取得日数は、配属予定の部署の単位でも分かりますか」
  • 「配属予定の部署で、この1年に、続けて5日以上休んだ方はいらっしゃいますか」
  • 「年休のうち、会社が日を決めている日数は何日ですか」

数字と答えがそろっても、入社後の休みやすさは約束されません。配属先、時期、担当する業務で変わり、入社前に確かめきれない部分が残ります。

転職した場合に引き受けるもの

  • 年休:付与日数は入社の日からの数え直しです。勤続が長い人ほど、今の付与日数との差が大きくなります。
  • 賃金:下がる場合があります。国の調査の数字を、この下に載せます。
  • 時期:結婚の前後は、住まいや手続きの予定が続きます。面接の日程を、そこに足すことになります。
  • 不確実さ:休みやすさは、入社するまで確かめきれません。

転職で賃金がどう変わったかは、国の雇用動向調査(厚生労働省、令和7年)に数字があります。2025年の1年間に転職で入職した人のうち、前の勤め先でも雇われて働いていた人について、前の賃金と比べた割合です。

年齢 増えた 変わらない 減った うち1割以上減った
25〜29歳 49.8% 25.0% 23.9% 16.5%
30〜34歳 48.6% 20.8% 29.0% 19.0%

不詳があるため、合計は100%になりません。休みを理由に移った人だけの数字でもありません。どちらの年齢でも、賃金が減った人が2割台います。休みと引き換えに、賃金の低下をどこまで受け入れるかを、応募の前に決めておく材料になります。

同じ調査で、前の職場を辞めた理由に「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」を挙げた人は、25〜29歳の男性で10.5%、女性で14.1%、30〜34歳の男性で13.0%、女性で10.1%でした。理由として挙げた人の割合で、移った先で休みが取れたかどうかは調べられていません。

残った場合に続くもの

  • 職場の慣習が変わらないかぎり、長い休みのたびに、今回と同じ調整が要ります。
  • 会社の義務である年5日は下限として残ります。それを超える休みは、申請しないかぎり増えません。
  • 今回の申請が、部署で初めての連続休暇になる場合があります。次に申請する人と自分にとって、手順の前例になります。

決める前に確かめる6つ

  1. 就業規則の休暇の章で、結婚の休暇の日数と条件を読む。
  2. 年休の残日数と、次に付与される月を見る。
  3. 式と旅行の休みを申請し、伝えた日・相手・返事を記録する。
  4. 休んだあとの給与明細で、賞与や手当の計算を見る。
  5. 3つの事実を表に当て、残る・社内で変える・式のあとに動くのどれかを決める。
  6. 動く場合は、求人ごとに付与日数・取得日数・取得率のどれが書かれているかを分け、5つの点を確かめる。

求人探しに人の手を借りる場合:公的な窓口の使い方

ここまでの判断と、求人の数字の読み分けは、1人で進められます。式のあとに動くと決めたうえで、求人探しに人の手を借りる方法もあります。求人の紹介を受けるならハローワーク、年代を限らず相談したいなら、厚生労働省の委託事業であるキャリア形成・リスキリング推進事業で、キャリアコンサルタントによる相談を無料で行っています。

紹介された求人でも、休みの実績は上の5つの点で確かめ直します。窓口で答えられる範囲は、求人によって違います。相談を受けたあとで、今の職場に残ると決めてもかまいません。