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あなたは求人の「大卒以上」の一行で手を止め、その夜、通信制大学の学費のページを開きました。金額と「4年」の文字を見て、ページを閉じました。次の週も、同じページを開いて、閉じました。
学費と時間を数える前に、確かめていないことが1つ残っています。行きたい仕事は、本当に大学の卒業を求めているのか、です。
この記事は、応募条件を3件、文面のまま書き写す所から始めます。制度の内容は2026年10月時点で確かめたもので、今後変わることがあります。
この記事で扱う悩み:求人の「大卒以上」を見るたびに通信制大学の学費を調べるが、入るかどうかを決められない。
この記事で分かること
- 行きたい仕事に大学の卒業が要るかを、募集3件の学歴の行で見分ける方法
- 卒業が要らない時の進め方(今の経験で応募する、名前のついた資格を学ぶ)と、要る時の週の学修時間と学費の出し方
- 転職・資格・現状維持(今の会社で働きながら大学へ進む)の選ぶ基準と、それぞれ今日すること
学費の前に、募集を3件開いて学歴の行を書き写す

先に、決まっていることを2つ置きます。大学は通信でも教育を行うことができ、通信の課程を卒業した人にも学士の学位が授与されます(学校教育法)。そして卒業には、124単位以上を修得することが要ります(大学設置基準)。途中までの単位では、「大学卒業」という応募条件には届きません。
だから、学費より先に確かめるのは「卒業そのものが要るのか」の1点です。行きたい仕事の募集を3件開き、学歴の行を、言いかえずに書き写します。
| 募集 | 学歴の行(文面のまま) | 大学の卒業は必須か |
|---|---|---|
| 1件目 | 例:「大学卒業以上」 | 必須 |
| 2件目 | 例:「大卒以上(同等の実務経験がある方も可)」 | 必須ではない |
| 3件目 | 例:「学歴不問」 | 必須ではない |
3列目には、次の3つのどれかを書きます。
- 必須:「大学卒業」と言い切っていて、ほかの道が書かれていない。
- 必須ではない:「同等の経験でも可」「学歴不問」など、卒業していない人が応募できる書き方がある。
- 読み取れない:「大卒程度」のように、卒業を指すのか、力の水準を指すのかが文面だけでは決まらない。
「大卒程度」が卒業を条件にしていなかった例があります。人事院の国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)は、2026年度の試験では、受験資格(教養区分以外)で、1996年4月2日から2005年4月1日までに生まれた人に学歴の条件を書いていませんでした。卒業や卒業見込みが条件になっていたのは、それより後に生まれた人です。条件は年度で変わるので、受ける年の受験案内で読んでください。
「読み取れない」と書いた募集は、問い合わせ先に1文で聞きます。
例:「応募条件の『大卒程度』は、大学を卒業していることが必須という意味でしょうか。卒業していない場合も応募できますか」
書き写した3行で、止まっていた理由が3つに分かれる
原因を3つに分けたのは、この記事で考えやすくするためです。公的な分類ではありません。3件という数も、この記事で置いた目安です。
答える問いは2つです。
- いちばん行きたい1件の3列目は、「必須」ですか、「必須ではない」ですか。
- 「必須ではない」なら、その募集は、資格や知識の名前を条件に挙げていますか。それをあなたは持っていますか。
| 原因 | 2つの問いの答え | 足りなかったもの | 進む先 |
|---|---|---|---|
| A | 必須ではない。資格や知識の指定がないか、すでに持っている | 学歴ではなく、今の経験で応募できる先を確かめること | 転職 |
| B | 必須ではない。条件に挙がった資格や知識を、まだ持っていない | 学位ではなく、名前のついた資格や知識 | 資格 |
| C | 必須 | 大学の卒業そのもの | 現状維持 |
原因Cの「現状維持」は、何もしないという意味ではありません。今の会社と今の収入を保ったまま、働きながら大学で単位を取り始めることを指します。卒業までの数年間、学費を払い続ける土台が今の給料だからです。
次の3つのどれかに当たる人は、表に当てる前にここを読んでください。
- いちばん行きたい1件を決められない。3件のうち2件以上がそろった読み方に合わせます(2件以上は、この記事での目安です)。3件とも読み方が違う時と、いちばん行きたい1件が「読み取れない」の時は、問い合わせの返事が来てから表に当てます。
- 行きたい仕事がまだなく、3件を選べない。卒業が要る理由がまだありません。学びたい分野がある人は、原因Bの節の「1科目だけ履修する」方法へ。それも言えない人は、3件を書けるまで学費のページは開かなくてかまいません。
- 今の会社で上がるために卒業が要ると思っている。人事に聞いた結果、在職中に卒業すれば等級や賃金に反映される決まりなら原因C。変わらない決まりなら、その目的に大学は合いません。外の募集3件で、もう一度この表に当ててください。
原因A:大卒は必須ではなかった。今の経験で応募できるかを確かめる
この場合、大学へ行っても、足りなかったものは埋まりません。確かめるのは、仕事の中身があなたの経験と重なるかです。
手順
- 3列目が「必須ではない」の募集から1件選び、「仕事の内容」に書かれている作業を3行、文面のまま書き写す。
- 各行の右に、同じ種類の作業を自分が最後にした日付を書く。したことがなければ「なし」と書く。
- 日付の入った行が2行以上なら、今の会社で働きながら、その募集に応募する。1行以下なら、「なし」の行に資格や知識の名前がつくかを見て、つくなら原因Bへ進む。名前がつかないなら、その募集は今は見送り、「必須ではない」の別の1件で同じ3行を書く。
| 募集の作業(例) | 自分が最後にした日(例) |
|---|---|
| 取引先からの注文を受け、納期を調整する | 10月7日 |
| 月ごとの売上を集計し、報告する | 9月30日 |
| 新しく入った人に手順を教える | なし |
2行以上という線は、この記事での目安です。
応募の手前で止まった時
- 条件に書いていなくても、学歴で落とされるのではと手が止まる。選考の場で学歴がどう見られるかを示す公的な統計は、この記事では確認できていません。応募の前に確かめられるのは、条件に学歴の指定があるかどうかまでです。学歴の指定がない募集なら、学歴の条件で外れることはありません。年齢や経験など、ほかの条件は別に読みます。選考の結果は別です。
- 日付は書けたが、応募の書類にどう書けばよいか分からない。毎週の作業を「何のための作業か」に言い直して、ほかの会社でも通じる分を数える手順で、書類のいちばん上に置く一文を作れます。
原因B:要るのは学位ではなく、名前のついた資格や知識
募集が挙げていたのが資格や知識の名前なら、124単位は要りません。学ぶのは、その名前の範囲だけです。
手順
- 3件の募集に出てくる資格や知識の名前を書き出し、2件以上に出てくるものを1つ選ぶ。どれも1件だけなら、いちばん行きたい募集のものを選ぶ。
- その試験の範囲を、試験を行う団体の公式の案内で読む。
- 入門のテキストを1章だけ読み、かかった分数を計る。
- 下の式で、終わるまでの週の数を出す。
式:1章にかかった分数 × 章の数 ÷ 1週間に学べる分数 = 必要な週の数
たとえば、1章に90分かかり、テキストが20章で、週に学べるのが5時間(300分)なら、90分×20章=1,800分、1,800分÷300分=6週です。
卒業は要らないが、大学の科目を学びたい人
正規の学生にならずに、1科目から履修して単位を取る「科目等履修生」という入り方があります(大学設置基準)。募集の有無、期間、費用は大学ごとです。
名前が決まらない時、独学が進まない時
- 資格の名前が1つに決まらない。募集に名前が出てこないのに「何か取ったほうがよい気がする」場合は、原因Aの手順で、作業の重なりを先に見ます。
- 独学が進まない。1回分が短く区切られ、続きから戻れる教材に替えます。有料の講座はその候補の1つで、市販のテキストと公開されている過去の問題でも同じ式で進められます。
原因C:卒業が要る。今の会社で働きながら、時間と学費を年数の幅で数える
「大学卒業」と言い切られているなら、要るのは卒業です。先に、同じ募集の年齢の条件を読みます。卒業する年の年齢が条件の内に入るかで、使える年数が決まるからです。卒業する年の年齢が条件の外に出る募集は、3件から外します。外したあとに「必須」の募集が残らなければ、残った募集でもう一度、原因の表に当ててください。
手順1:週に要る時間を、年数ごとに並べる
1単位は、45時間の学修(授業と、その前後の自習を合わせた学び)を必要とする内容が標準です(大学設置基準、大学通信教育設置基準)。124単位なら、124×45=5,580時間です。これを年数と52週で割ります(例:5,580÷6÷52=約18時間)。
| 卒業までの年数 | 週の学修時間(制度上の標準) |
|---|---|
| 4年 | 約27時間 |
| 5年 | 約21時間 |
| 6年 | 約18時間 |
| 8年 | 約13時間 |
これは制度の上での標準で、実際の時間は科目と人で前後します。大学の修業年限は4年ですが(学校教育法)、4年の計画は週に約27時間が前提です。何年まで在学できるかは、募集要項で読みます。
短期大学や高等専門学校を卒業した人、専門学校の決められた課程を修了した人は、途中の年次から入る編入学ができる場合があります(学校教育法)。その時は、卒業までに取る単位と年数が上の表より少なくなることがあります。入れる年次と認められる単位は大学ごとなので、募集要項で読みます。
手順2:自分の4週間を数え、いちばん少ない週を土台にする
今日から4週間、学びに回せた時間を毎晩1行書きます。残業のあった日は、ほかの日と分けて書きます。0なら0と書きます。
たとえば、残業のない勤務日に1.5時間を3日、残業のある勤務日は0時間を2日、休みの日に5時間を2日なら、1.5×3+0×2+5×2=14.5時間です。8年の計画(約13時間)には収まり、6年の計画(約18時間)には3時間あまり足りません。
計画に使うのは、4週の平均ではなく、いちばん少なかった週の数字です。遅れが出るのは、その週だからです。
手順3:学費を、5年と6年の場合で出す
式:入学の時に1回かかる費用 + 年ごとにかかる費用 × 在学年数 + 単位や授業ごとにかかる費用
在学が延びると増えるのは、年ごとにかかる費用です。たとえば、入学の時に3万円、年ごとに25万円かかる課程なら、5年で3万円+25万円×5=128万円、6年で3万円+25万円×6=153万円です。これは説明のための数字で、単位や授業ごとの費用は別に足します。実際の額は募集要項で読みます。
払えるかどうかは、貯金の額ではなく毎月の黒字で見ます。1年に払う額を12で割り、毎月の黒字とくらべます。上の例の年ごとの費用だけなら、月に約2万800円です(25万円÷12=20,833円)。
手順4:時間か学費が届かなければ、1学期だけ科目を履修して試す
科目等履修生として1学期だけ履修すれば、1単位に実際にかかった時間、残業の週に進んだ量、授業や試験の日に休めたか、の3つが数字で手に入ります。大学が教育上有益と認めれば、入学前に取った単位を入学後の単位とみなせる定めもあります(大学設置基準)。扱いは大学ごとなので、申し込む前に尋ねます。
手順5:会社に伝える必要があるかを、3つの条件で見る
卒業に要る124単位のうち30単位以上は、対面の面接授業か、メディアを利用して行う授業で取る決まりです(一部は放送授業で代えられます。大学通信教育設置基準)。勤務日に休みが要るかどうかは、選ぶ科目の日程で決まります。
| 条件 | 確かめる所 | 当たる時にすること |
|---|---|---|
| 授業や試験で、勤務日に休みが要る | 大学の日程 | 直属の上司に日程を伝え、休暇を申請する |
| 届け出や申請の決まりがある | 就業規則の、届け出の条・学びへの補助の条・休暇の条 | 決まりに沿って届け出る |
| 卒業を、等級や賃金に反映してほしい | 賃金の決まり | 人事に文面で尋ねる |
順番は、就業規則を読む、3つの条件に当たるかを見る、当たれば上司、次に人事、です。どれにも当たらなければ、伝えるかどうかは自分で決められます。
例(上司へ):「勤務時間の外に、通信制の大学で学ぶことにしました。授業と試験が〇月〇日と〇月〇日にあります。この2日は年次有給休暇を申請します。担当分は前の週までに進めます。重なる仕事があれば、今のうちに教えてください」
例(辞めるのかと聞かれた時):「在学中は今の仕事を続けます。卒業後のことは、その時点でご相談します」
例(人事へ):「在職中に大学を卒業した場合、等級や賃金の決まりにある学歴の区分は、卒業後の学歴で扱われますか」
総額の大きさと、公的な支援で迷った時
- 総額を見て閉じてしまう。見る数字を「月にいくら」に替えます。毎月の黒字が届かなければ、届く月を計算で出し、入学をその月まで遅らせます。
- 公的な支援を当てにしたい。学費の全部をまかなう前提は置けません。日本学生支援機構の貸与奨学金は、通信教育の課程では面接授業(スクーリング)を受ける形に応じて貸与され、2026年度の案内では、夏季・冬季スクーリングの場合、無利子の第一種が年額88,000円です。学力と家計の基準で選考があり、返す必要のあるお金です。教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座だけが対象で、大学の課程すべてではありません。受けたい課程が給付の対象か、自分が条件に当てはまるかを5つの項目で確かめる表を使って、入学の前に調べてください。どちらも個別の事情で結果が変わります。
3つの道を、1枚の表でくらべる
| 原因 | 選ぶ道 | 選ぶ基準 | 引き受けること |
|---|---|---|---|
| A | 転職 | いちばん行きたい募集で大卒が必須ではなく、資格や知識の指定がないか、すでに持っている | 条件に指定がなくても、選考の結果は分からない |
| B | 資格 | 大卒は必須ではなく、条件に挙がった資格や知識をまだ持っていない | 学ぶ時間と費用がかかり、合格も採用も約束されない |
| C | 現状維持(今の会社で働きながら大学へ進む) | 大学の卒業が必須 | 学費は年ごとに出ていき、延びた分だけ増える。卒業しても採用や昇給は約束されない |
3つの道、それぞれの今日の分
まだ3件を書き写していない人は、どの道の前にも、募集を1件開いて学歴の行を写す所からです。写した結果、大学は要らないと分かった人は、学費のページをもう開かなくてかまいません。
現状維持を選んだ人:今夜の1行と、就業規則の1か所
今日、学びに回せた時間を1行書きます。これを4週間続けます。次に、就業規則の3つの条のうち、今日開ける1か所を開きます。賃金に反映してほしい人は、人事への文を下書きに保存し、就業規則を読んだあとに送ります。
資格を選んだ人:名前を1つ、丸で囲む
3件の募集から資格や知識の名前を書き出し、1つを丸で囲みます。その試験の公式の案内を開き、出題の範囲のページを読みます。
講座を使う場合の説明です。向いているのは、名前のついた資格や知識を、テキストだけでは進めにくい人です。向かないのは、大学の卒業が必須の人と、学ぶ資格や知識がまだ決まっていない人です。申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。使わない場合は、市販のテキストと、試験を行う団体が公開している出題の範囲で学べます。
転職を選んだ人:作業を3行写し、日付を書く
大卒が必須ではない募集の「仕事の内容」から、作業を3行、文面のまま写します。右に、自分が最後にした日付を書きます。
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この記事で確かめた公的な情報
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- 大学通信教育設置基準(e-Gov法令検索)(第5条、第6条) 2026年10月時点
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)」(2026年度の受験資格) 2026年10月時点
- 独立行政法人日本学生支援機構「大学・短大・専門課程を置く専修学校・高等専門学校に在学中の方(通信教育課程を含む)」(2026年度在学者用貸与奨学金案内・通信) 2026年10月時点
- 厚生労働省「教育訓練給付金」(対象は厚生労働大臣が指定する教育訓練) 2026年10月時点
- 厚生労働省職業安定局「ハローワークインターネットサービス」(求人情報の検索) 2026年10月時点
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「求人申込書の書き方」(求人情報の一覧に出る「学歴不問」などの表示) 2026年10月時点
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法令、受験資格、貸与額、給付の対象は、今後変わることがあります。出願や申込みの前に、それぞれの案内で確かめてください。