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ふたりの関係

恋人が転職して生き生きしている。その焦りは羨ましさか、遅れか

約13分で読めます

生き生き働く恋人の話から、自分の焦りの中身を考える帰り道

転職した恋人の話を笑って聞けない人へ。引っかかった言葉を3つ書いて仕分け、3つの問いに答えると、焦りの中身が分かり、自分も会社を替えるのか、学ぶのか、今の会社のままでよいのかを決められます。

※この記事には広告(プロモーション)が含まれます。

この記事を読むと、転職した恋人の話を聞いて感じる焦りの中身を言葉にして、自分も会社を替えるのか、学び始めるのか、今の会社のままでよいのかを決められます。

「毎日楽しい」に、「よかったね」が一拍おくれる

恋人が転職して数か月。会うたびに、新しい職場の話が出ます。任された仕事のこと、教えてくれる先輩のこと、早く帰れるようになったこと。聞きながら相づちを打っているのに、笑顔が固くなっているのが自分で分かる。帰ってから、求人のページをなんとなく開いて、何も決めずに閉じる。

この焦りには、名前がついていません。「恋人が羨ましいだけ」なのか、「自分は遅れている」のか。前のほうなら、会社を替えなくても収まるかもしれません。後のほうなら、動かないかぎり、恋人が楽しそうに話すたびに同じ気持ちになります。どちらなのかが分からないまま「自分も転職したほうがいいのか」と考えるので、答えが出ません。

見分ける材料は、恋人の話の中にあります。全部の話に引っかかったわけではないはずです。引っかかった言葉だけを取り出すと、焦りが何に向いているのかが見えてきます。

引っかかった言葉を3つ、聞いたとおりに書く

紙でもスマホのメモでもかまいません。恋人の話のうち、聞いた瞬間に胸がざわっとした言葉を3つ、言われたとおりの言い回しで書きます。きれいに言い直さないのがこつです。「成長できる環境らしい」と書き直すと、何に引っかかったのかが消えます。「先輩が毎回、理由まで教えてくれる」と、そのまま書きます。

3つ書けたら、それぞれを次の4つのどれかに仕分けます。

仕分け先 どんな言葉が入るか(例) 自分の言葉を書く欄
仕事の中身 「企画から任せてもらえる」「お客さんの反応が直接見える」 ( )
人 「上司がちゃんと話を聞いてくれる」「質問しても嫌な顔をされない」 ( )
時間 「19時には家にいる」「休みの日に連絡が来ない」 ( )
学び 「毎月新しいことを覚えている」「研修の費用を会社が出してくれる」 ( )

表の例は、説明のために置いたものです。自分の3つが同じ仕分け先に集まることもあれば、ばらばらになることもあります。集まった所が、焦りの向いている先です。ばらばらなら、3つのうちいちばん長く頭に残っている言葉を1つ選び、その仕分け先を使います。

この時点で分かることが1つあります。引っかかったのは「転職したこと」そのものではなく、転職のあとに恋人が手に入れた何か、だということです。給料の話に引っかかっていない人が、給料の高い会社を探しても、焦りは収まりません。

3つの問いに、はい・いいえで答える

選んだ言葉について、順番に答えます。

  1. その言葉が指しているものは、今の会社ではどうやっても手に入らないか。頼んでも、担当が変わっても、手に入らないものか。頼んだことがないだけなら「いいえ」です。
  2. 恋人が転職する前から、自分も今の仕事に不満があったか。恋人の話を聞いて初めて出てきた不満なら「いいえ」です。
  3. 話を聞いて、「それ、自分もやってみたい」と思ったか。恋人の状態ではなく、仕事や分野そのものに気持ちが動いたかどうかです。

答えの組み合わせと、原因(この記事での整理)

次の表は、この記事での整理です。性格や向き不向きを判定するものではなく、次に何をするかを決めるための仕分けです。

答え 原因 焦りの中身 ルート
②が「はい」で、①も「はい」 A:自分も前から不満があり、先送りしてきた 遅れ 転職
③が「はい」で、気持ちが動いたのが今の職種とは別の分野 B:恋人の話を聞いて、やってみたい分野ができた 新しくできた望み 資格
①が「いいえ」。②も③も「いいえ」の人もここ C:羨ましいのは転職ではなく恋人の今の状態。今の会社でも近づける 羨ましさ 現状維持

迷いやすい組み合わせが2つあります。②も③も「はい」の人は、やってみたいことが今と同じ職種の中にあるならA、別の分野ならBです。②が「はい」でも①が「いいえ」の人、つまり前から不満はあるけれど今の会社で変えられそうな人は、Cです。

Aだった人:先送りを終わらせる

Aの人の焦りは、恋人への羨ましさではありません。自分が「そのうち考えよう」と置いてきた不満を、恋人が先に片づけたことで、置いてきたことが目に入った。それが「遅れ」の正体です。だから、恋人と同じような会社を探すのではなく、自分が先送りしてきた不満から始めます。

  1. 先送りしてきた不満を、思いつくだけ書く。恋人が転職する前からあったものだけに印をつけます。
  2. 印のついた不満を、1つに絞る。絞り方は、下の「絞れないとき」を使います。
  3. 絞った不満を、会社の条件に書き直す。不満は「〜が嫌だ」、条件は「〜であること」です。
  4. その条件で探す。ハローワークの求人検索などで、今と同じ職種のまま、条件を満たす会社があるかを見ます。
不満(例) 条件に書き直すと
帰りが遅く、仕事のある日は何もできない 月の残業が( )時間以内であること
誰からも仕事を教わる機会がない 入社後に教える担当がつく、または研修の期間があること
同じ作業のくり返しで、任される範囲が広がらない ( )の仕事を担当できること

絞れないとき。不満が3つも4つも残って、どれも大事に見えることがあります。そのときは、1つずつに「これが変わるなら、今の会社に残るか」と聞きます。「残る」と答えられた不満が、いちばん重いものです。それを1つ選びます。全部に「それでも残らない」と答えた人は、不満の数ではなく、最初に思い浮かんだ1つを選んでください。条件が1つ決まれば探し始められますし、2つ目は探しながら足せます。

条件が本当に変わるのかを確かめる所。会社は、労働契約を結ぶときに、働く場所や仕事の内容、始業と終業の時刻、決まった時間を超えて働くことがあるかどうか、休日などを書面で示すことになっています(労働基準法の決まり。2026年10月11日に確認。今後変わることがあります)。内定が出たら、手順3で書いた条件がその書面でどう書かれているかを見てから返事をします。

恋人の会社と比べてしまうとき。恋人の職場の話は、恋人の条件に合った会社の話です。自分の条件は、手順3の1行だけです。比べる相手を恋人の会社から、自分で書いた1行に戻します。

Bだった人:やってみたいことを、学ぶ形にする

Bの人は、今の仕事に前から強い不満があったわけではありません。恋人の話を聞いているうちに、「その仕事、面白そうだ」と思った。焦りに見えていたものは、やりたいことが見つかったのに、まだ何も始めていない落ち着かなさです。

ここで求人を探しに行くと、経験のない分野なので、応募できるものが少なく、気持ちだけがしぼみます。先に、その分野で要る知識を1つ学びます。

  1. やってみたい分野を1行で書く。「恋人の仕事」ではなく、「( )をする仕事」と、することの名前で書きます。
  2. その分野で要る知識を調べる。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」で仕事の名前を検索し、「就業するには?」と「しごと能力プロフィール」の知識の欄を見ます。いちばん身近な資料は恋人です。「その仕事を始めて、最初に覚えたことは何?」と聞いてください。
  3. 学べる形を1つ選ぶ。本を1冊読む、通信の講座を受ける、教室に通う、のうち1つです。最初から3つを組み合わせません。
  4. 終わりの日を決めて始める。

その分野に今の経験がどれだけ重なるかは、『友人が異業種に転職できた。自分にもできるかを一枚で確かめる』で、紙の左右に10個ずつ書いて数えられます。

続くか不安なとき。何を学ぶかより先に、1日に使える時間を決めます。「仕事のある日は( )分、休みの日は( )分」と書き、その時間で終わる大きさの教材を選びます。時間を先に決めると、続かなかったときにも「教材が大きすぎた」と分かり、やり直しがききます。

費用が気になるとき。雇用保険に入っている期間などの条件に当てはまる人は、国の教育訓練給付を使える場合があります。対象の講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で調べられます。講座の種類によっては、受講を始める前にハローワークでの手続きが要ります(2026年10月11日に確認。今後変わることがあります)。自分が当てはまるかは、ハローワークで確かめてください。

自分が給付を受けられるかは、『教育訓練給付を調べていない人へ。講座代が戻る条件を先に確かめる』の5つの項目で、申し込む前に確かめられます。

学び終えたあとに、その分野の仕事に移るかどうかは、そのとき決めればかまいません。資格を取れば仕事が見つかる、と言い切ることはできません。ただ、学んでみて「やはり面白い」と思うか「思ったのと違う」と思うかは、学んだ人にしか分かりません。

Cだった人:恋人の今の状態に、今の会社で近づく

Cの人が羨ましいのは、転職ではありません。恋人が今いる状態、つまり、早く帰れている、話を聞いてもらえている、新しいことを覚えている、という状態です。そして、それは今の会社でも、頼めば近づけるかもしれないものです。頼んだことがないので、手に入らないように見えていただけ、ということがあります。

  1. 引っかかった言葉を1つ選ぶ。3つのうち、今の会社でいちばん変えられそうなものを選びます。
  2. その言葉を、上司に頼むことに直す。「羨ましい状態」を、「自分の職場での、具体的な1つの変更」に書き替えます。
  3. 上司に時間をもらい、頼む。

頼む一文の文例

切り出すとき:

「相談が1つあります。今日か明日、10分ほどお時間をいただけますか。」

仕事の中身に引っかかった人:

「今の担当に加えて、( )の仕事を1件、担当させていただけませんか。来月から始められるように、今の仕事の進め方も見直します。」

人に引っかかった人:

「月に1回、15分だけ、仕事の進め方を見ていただく時間をいただけませんか。自分では気づけていない所を知りたいです。」

時間に引っかかった人:

「週に1日、( )時に退社する日を作りたいです。その日の分の仕事は、前の日までに終えるようにします。」

学びに引っかかった人:

「( )を勉強したいので、( )の研修に参加させていただけませんか。学んだことは、( )の仕事で使います。」

どの文も、頼むことを1つにして、数字(1件、15分、週に1日)を入れています。「もっと成長したいです」のように大きく言うと、上司は何をすればよいか分からず、返事ができません。

断られたとき。理由を聞かずに引き下がると、①の問いの答えが分からないまま残ります。次の一文で、条件を聞きます。

「分かりました。いつごろなら、または何がそろえば、できそうでしょうか。」

「時期が来たら」「人が増えたら」と条件が返ってくれば、その時期にもう一度頼みます。「それはうちではできない」と返ってきたら、①の答えが「はい」に変わったということです。そのときは、Aの手順に進んでください。頼んだうえで出た答えなので、先送りとは違います。

動くのか、動かなくていいのか

選ぶもの 合う原因 選ぶ基準 選ばないほうがよい場合
転職 A 恋人の転職より前から不満があり、それが今の会社では変わらない 不満が恋人の話を聞いてから出てきたものだけの場合
資格 B 別の分野の仕事そのものに気持ちが動いた。1日に使える時間を書ける 動いた気持ちが「楽しそうな恋人」に向いていて、仕事の中身には向いていない場合
現状維持 C 引っかかった言葉が、今の会社でも頼めば近づけるものだった すでに頼んで、はっきり断られている場合

恋人が転職したからといって、自分も転職する理由にはなりません。逆に、恋人に流されたくないからといって、前からあった不満をまた先送りする理由にもなりません。決め手は、恋人が動いたかどうかではなく、3つの問いへの自分の答えです。

選んだ先の最初の一手

転職を選んだ人

先送りしてきた不満を、1行で書きます。「( )が、( )年前から不満だった」。今日はここまでで十分です。書けたら、その1行を条件に書き直し、自分で進める場合はハローワークの求人検索で、今と同じ職種のまま、その条件を満たす求人が自分の通える範囲に何件あるかを数えます。応募するかどうかは、数を見てから決めます。いつ動くかの条件がまだ書けない人は、『友人の転職の決め手を聞いた。自分に決め手がないとき、作る基準』の穴のあいた3つの文を埋めると、動く条件と残る条件を一文ずつ持てます。

資格を選んだ人

やってみたい分野を、1行で書きます。「( )をする仕事をやってみたい」。書けたら、次に恋人と会うときに「その仕事を始めて、最初に覚えたことは何?」と聞き、返ってきた答えを同じメモに書きとめます。自分で進める場合は、job tagでその仕事のページを開いて恋人の答えと見比べ、両方に出てくる知識を1つ選んで、入門の本を1冊探します。

学ぶと決めることと、どの講座に申し込むかを決めることは、別の決め事です。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。扱っている資格は講座ごとに決まっています。

  • 向く人:やってみたい分野を「( )をする仕事」と1行で書け、その分野で要る知識を1つ選び、1日に使える時間を書いた人。
  • 向かない人:気持ちが動いたのが仕事の中身ではなく、楽しそうな恋人のほうだった人(原因Cの手順へ)。学ぶ形をまだ1つに決めていない人。
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:入門の本を1冊選んで、同じ手順を進められます。

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現状維持を選んだ人

引っかかった言葉を1つ選び、丸で囲みます。その下に、上の文例から仕分け先の合うものを写し、( )を自分の職場の言葉で埋めます。上司に時間をもらう一文は、明日、仕事の始めに言えば足ります。

焦りを隠さず、恋人に言う一文

ここまでで、自分の焦りの中身は言葉になりました。最後に、それを恋人に伝えます。笑顔が固くなっていたことに、恋人は気づいているかもしれません。理由が分からないままだと、恋人は職場の話をしなくなります。それは、どちらにとってもさびしいことです。

Aだった人:

「新しい職場の話、うれしい気持ちと一緒に、正直あせっていた。聞いていて気づいたのは、自分も前から( )が不満だったのに、ずっと後回しにしていたこと。自分も会社を替えることを調べてみる。」

Bだった人:

「話を聞いているうちに、( )の仕事を自分もやってみたくなった。落ち着かなかったのは、それをまだ何も始めていなかったから。( )を勉強してみるから、最初に何を覚えたか教えてほしい。」

Cだった人:

「毎日楽しいと聞いて、すぐに喜べなかった。羨ましかったのは、転職したことより、( )のところだった。それは今の会社でも頼めそうだから、上司に話してみる。これからも職場の話を聞かせてほしい。」

どの文にも、「あせった」「落ち着かなかった」「喜べなかった」と、そのときの気持ちを入れてあります。そこを省いて「自分も転職しようかな」とだけ言うと、恋人には張り合っているように聞こえます。気持ちと、次にすることを、同じ文の中で言う。そうしておくと、恋人の「毎日楽しい」を、次は少し楽に聞けるかもしれません。