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友人とのつきあい

友人の転職の決め手を聞いた。自分に決め手がないとき、作る基準

約13分で読めます

動く条件と残る条件を、自分で定めて選ぶイメージ

友人の転職の決め手を聞いて、自分には何もないと気づいた人へ。決め手を「待つ出来事」から「自分で決める条件」に直し、穴のあいた3つの文を埋めて、動く条件と残る条件を一文ずつ持てます。

※この記事には広告(プロモーション)が含まれます。

飲み会の席で、あなたは転職した友人に「決め手は何だった?」と聞きました。友人は迷わずに、はっきり答えました。その答えを聞きながら、あなたは、自分には決め手と言えるものが何もないと気づきました。20代でも30代でも起きる場面です。

この記事を読むと、決め手を「起きるのを待つ出来事」から「自分で決める条件」に直し、動く条件と残る条件を一文ずつ持てます。やることは、穴のあいた3つの文を埋めることです。

友人の決め手は、起きた出来事ではなく、友人が持っていた条件

友人の答えは、たとえば「上司が替わったこと」「給料が上がらなかったこと」のように、出来事の形で語られます。聞いた側は、「自分にはそういう出来事が起きていない」と受け取ります。そして、決め手になる出来事が起きるのを待つことになります。

けれども、同じ出来事が起きても、辞めない人はいます。友人が動いたのは、出来事が起きたからだけではありません。友人の中に、「これが変わらなければ動く」という条件が先にあり、出来事がその条件に当てはまったからです。決め手は、出来事と条件の2つでできています。

条件を持っていないと、何が起きても決め手になりにくくなります。上司が替わっても「次の人を見てから」と思い、給料が上がらなくても「来年を見てから」と思います。待っている間、動くとも残るとも決められないのは、出来事が足りないからではなく、条件が書かれていないからです。

ここで1つ、先に書いておきます。友人の決め手は、友人の条件です。あなたが同じものを探す必要はありません。友人が給料で動いたからといって、あなたの条件が給料である理由はありません。体験談をいくつ読んでも自分の決め手が見つからないのも、同じ理由です。そこに書かれているのは、書いた人の条件だからです。

穴のあいた3つの文

条件は、次の3つの文で書きます。かっこの中を、自分の言葉で埋めます。

文1:「(いつ)までに(何)が(どうなって)いなければ、動く」

文2:「(何)が(どうなって)いる間は、残る」

文3:「動くなら、(何)だけは今より良くする」

この3つの文は、研究で確かめられた方法ではなく、この記事での整理です。文1は動く条件、文2は残る条件、文3は動く時にゆずらないものを表します。

(何)に入れる言葉は、次の5つから選びます。5つのほかに思いつくものがあれば、それを入れてもかまいません。

(何)の候補 (どうなって)の書き方の例
給料の額 毎月の基本給が今より上がって/次の見直しで額が変わって
任される仕事 〇〇の担当を一人で任されて/新しい取引先を持たせてもらって
働く時間 帰る時刻が今より早くなって/休みの日に仕事の連絡が来なくなって
一緒に働く人 仕事の相談ができる先輩が同じチームにいて
会社の先行き 自分の部署に新しい仕事が入ってきて/新しい人が採用されて

埋める時の決まりは3つです。

  • 1つの文に入れる(何)は1つだけにする。「給料と時間が」と2つ入れると、片方だけ変わった時に決められなくなります。
  • (どうなって)は、ほかの人が見ても分かる様子で書く。「やりがいを感じられて」ではなく、「〇〇の担当を一人で任されて」のように書きます。
  • 気分ではなく、起きることを書く。「納得できて」「前向きになれて」は、その日の気分で変わるので条件になりません。

文1を埋める 「(いつ)までに(何)が(どうなって)いなければ、動く」

埋める順番は、(何)、(どうなって)、(いつ)です。日付から考え始めると、中身がないまま日だけが決まってしまいます。

(何)には、今いちばん変わってほしいものを、表の候補から1つ選びます。(どうなって)には、それがどうなれば「変わった」と言えるかを書きます。(いつ)は最後に入れます。

書き方の例です(日付や時期は例のものです)。

「来年4月の給料の見直しまでに、毎月の基本給が今より上がっていなければ、動く」

「次の面談までに、〇〇の担当を一人で任されていなければ、動く」

最初に書いた文があいまいな時は、次のように直します。

最初に出てきた文 あいまいな所 直した文(例)
そのうち給料が上がらなければ、動く 「そのうち」に終わりがない。どの給料かが分からない 来年4月の給料の見直しまでに、毎月の基本給が今より上がっていなければ、動く
仕事がつまらないままなら、動く 「つまらない」は気分。何が変われば違うのかが分からない 次の面談までに、〇〇の担当を一人で任されていなければ、動く
会社が良くならなければ、動く 「良くなる」が何を指すのか、ほかの人には分からない 次の期の始まりまでに、自分の部署に新しい人が採用されていなければ、動く

書きながら、どこで手が止まったかを覚えておいてください。(何)がすぐに出たか、(何)で止まったか、(いつ)で止まったか。止まった所の横に印をつけます。あとで原因を見分ける時に使います。

文2を埋める 「(何)が(どうなって)いる間は、残る」

文2は、今すでにあるものから書きます。今の会社で、なくなったら困るものを1つ選び、(何)に入れます。

「今のチームの人たちと一緒に働けている間は、残る」

「帰る時刻が今と同じである間は、残る」

文1と文2の(何)は、違う言葉になることが多いです。文1が給料で、文2が一緒に働く人、というようにです。同じ言葉が入った場合も、そのまま書いておきます。

文2は「残る理由がないから書けない」と感じる人もいます。その時は空けたままにして、文3へ進みます。

文3を埋める 「動くなら、(何)だけは今より良くする」

文3に入れるのは1つだけです。「全部を今より良くする」とは書きません。1つに決めると、次の会社を探す時に見る所が決まります。

「動くなら、任される仕事の広さだけは今より良くする」

「動くなら、帰る時刻だけは今より良くする」

書けたら、その下にもう1行足します。「それがかなう仕事を、1つ思いうかべられるか。今の自分の知識や技術で、そこに応募できそうか」。答えを「はい」か「いいえ」で書いておきます。

埋まり方から、決め手がなかった原因を見分ける

3つの文を書いた紙を見て、次の問いに答えます。原因の分け方も、この記事での整理です。

  1. 文1の(何)は、すぐに埋まりましたか。
  2. 文3は埋まるけれど、その先に、今の自分で行けそうにないと感じましたか。
  3. 文1より、文2のほうがすらすら埋まりましたか。

問い1が「はい」の人は、原因Aです。不満ははっきりあります。足りなかったのは不満ではなく、「いつまで待つか」です。決め手になる出来事が起きるのを待っていたので、待つ長さに終わりがありませんでした。

問い2が「はい」の人は、原因Bです。動きたい方向はあります。ただ、今の自分の知識や技術では行ける先が見えないので、何が起きても「動く」と言えませんでした。

問い3が「はい」の人は、原因Cです。決め手がないのは、今の仕事に大きな不満がないからです。友人の話を聞いて「自分には何もない」と感じたのは、動く決め手の話です。残る決め手なら、もう持っています。

転職・資格・現状維持の、どれへ進むか

原因 進む道 選ぶ基準
A:不満ははっきりある。決め手になる出来事を待っていた 転職 文1の(何)と(どうなって)がすぐ書けて、文3の先に応募できそうな仕事を思いうかべられる
B:動きたい方向はある。今の知識や技術では行ける先が見えない 資格 文3は書けたが、その下の1行が「いいえ」だった
C:今の仕事に大きな不満がない 現状維持 文2がすぐ書けて、文1の(何)が出てこないか、出ても弱い

問いに2つ「はい」がついた人は、次のように決めます。

  • 問い1と問い2が「はい」:文3の下の1行で決めます。応募できそうな仕事を1つでも言えるなら転職、言えないなら資格です。
  • 問い1と問い3が「はい」:文2に書いたものを手放してでも、文1の(何)を変えたいかを自分に聞きます。変えたいなら転職、手放したくないなら現状維持です。
  • 問い2と問い3が「はい」:文3の(何)が、今の会社でもかなう見こみがあるなら現状維持、ないなら資格です。

3つの文のうち「動くなら…」が埋まらず、5年後・10年後を聞かれても答えに詰まるなら、『10年後が描けないとき、1本に決めずに3つのシナリオで比べる』で、材料を4種類書き出して、3つの道を比べられます。

決めた道の進め方と、手が止まる所

転職へ進む人(原因A)

  1. 文1に日付と中身を入れる。(何)と(どうなって)は書けているので、(いつ)を入れて文を完成させます。
  2. 文3を埋める。動く時にゆずらないものを1つ決めます。
  3. その条件で探し始める。文3の1つがかなうかどうかだけを見て、仕事を探します。文2に書いたものが次の会社でも守れそうかも、あわせて見ます。文1の日付が来るのを待つ必要はありません。日付は、探し始める日ではなく、動くと決める日だからです。

探す時は、文3を、仕事に求める条件の1行に書き替えておきます。「動くなら、帰る時刻だけは今より良くする」なら、「帰る時刻が今より早い仕事」です。仕事を1つ見るたびに、この1行に「はい」と言えるかどうかを確かめ、「はい」と言えないものは、ほかの点が良く見えても候補に入れません。

使うものは、3つの文を書いた紙と、手帳かカレンダーです。

手が止まる所:日付が決められない。自分で日を作ろうとすると、いつまでも先に延ばせてしまいます。会社の予定を借ります。次の給料の見直しの日か、次の面談の日を入れてください。「来年の春までに」のようなあいまいな時期ではなく、給料の額や任される仕事が実際に決まる日です。その日が分からなければ、就業規則や社内の案内で時期を確かめるか、上司に「次の面談はいつごろですか」と聞きます。

手が止まる所:日付の前に、何か起きるかもしれないと思う。それでかまいません。文1は、何かが起きるのを禁じる文ではありません。その日までに(何)が変わっていれば残り、変わっていなければ動く。どちらになっても、決め方は先に決まっています。

資格へ進む人(原因B)

  1. 文3の(何)がかなう仕事を調べる。厚生労働省の職業情報サイト(job tag)で、気になる職業の名前を検索します。職業ごとのページに「どんな仕事?」「就業するには?」という項目があります(2026年10月11日時点。サイトの作りは今後変わることがあります)。文3の(何)がかないそうな仕事を、1つ選びます。
  2. 足りない知識を1つ決めて学ぶ。その仕事で求められることと、今の自分ができることを比べ、足りないものを1つ決めます。講座か本を1つ選んで始めます。
  3. 文1に、学び終える日を入れる。文1の(いつ)に、講座が終わる日か、試験を受ける日を入れます。たとえば「6月の試験が終わるまでに、任される仕事が広がっていなければ、動く」です(時期は例のものです)。学んでいる間が、そのまま今の会社の変化を待つ期間になります。

使うものは、3つの文を書いた紙、厚生労働省の職業情報サイト(job tag)、学ぶための講座か本を1つです。

手が止まる所:何を学ぶか決まらない。行きたい仕事で求められることを、3つ調べて書き写します。職業のページの「就業するには?」と、「どんな仕事?」にある仕事の中身の一覧から拾います。3つのうち、今の仕事で一度も使っていないもので、本や講座で学べるものを1つ選びます。3つとも使ったことがあるなら、足りないのは知識ではなく、それを人に伝える言葉です。その場合は、3つそれぞれについて、今の仕事でやった場面を1行ずつ書きます。

現状維持を選ぶ人(原因C)

  1. 文2を埋めて、「残る決め手」にする。決め手は、動く時にだけ要るものではありません。「(何)が(どうなって)いる間は、残る」と書けたら、それがあなたの決め手です。
  2. 次に任せてほしい仕事を、上司に伝える。残ると決めたら、残る場所で次にやりたいことを1つ伝えます。

任せてほしい仕事は、文2の(何)とつながるものから選びます。文2が「今のチームの人たちと一緒に働けている間は、残る」なら、そのチームの中で次に持ちたい担当を。文2が働く時間の話なら、今の時間のまま広げられる仕事を選びます。残る理由を弱くする頼みごとにならないようにするためです。

上司に伝える一文の例です。

「次の期に、〇〇の仕事を任せてほしいと考えています。今は△△を担当していて、手順は一通り分かってきました。〇〇を担当するために、今のうちに覚えておくことがあれば教えてください」

使うものは、文2を書いた紙と、上司に伝える一文のメモです。

手が止まる所:友人と比べて、また揺れる。別の友人が転職したと聞くたびに、「自分には決め手がない」に戻りそうになります。その時は、文2を見返します。見るのは1点だけです。文2の(何)は、今も(どうなって)いるか。そうなら、残る条件は今も成り立っています。友人が動いたことは、文2のどの言葉も変えていません。もし文2が成り立たなくなっていたら、その時が文1を書く時です。

文2に「一緒に働く人」と書いた人が、給料と仕事の伸びも確かめておきたい時は、『人・給料・成長を別々に測る3本の目盛り』で点をつけられます。

3つの文から始める、今日の一手

転職を選んだ人

文1を埋めます。(何)と(どうなって)を書き、(いつ)に次の給料の見直しの日か、次の面談の日を入れてください。書いた文は、手帳の、その日付のページに写します。仕事を探す先は、転職サイトでもハローワークでもかまいません。どこで探す時も、検索や相談の最初に使うのは文3の1行です。文1と文3の2行があれば、探し始められます。文3がかなう仕事へ今の経験のまま動けるかを確かめたい人は、『友人が異業種に転職できた。自分にもできるかを一枚で確かめる』で、今の作業と求められることを紙一枚に10個ずつ書いて、線で結べます。

資格を選んだ人

文3を埋めます。「動くなら、(何)だけは今より良くする」。書けたら、その(何)がかなう仕事の名前を、思いつくだけ横に書きます。1つも出なければ、職業情報サイトで調べる所からです。講座を使う場合も、本で進める場合も、学ぶものを選ぶ物差しは文3です。

学ぶと決めることと、講座に申し込むことは、別の決め事です。文3の(何)がかなう仕事に足りない知識を1つ決めた人には、オンラインの資格講座を使う方法もあります。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。

  • 向く人:文3が書けて、足りない知識を1つに決めた人。それが資格や知識で、講座で学べるものだった人
  • 向かない人:文3の下に仕事の名前がまだ書けていない人(職業情報サイトで調べるのが先です)。会社を替えると決めた人は文1、残ると決めた人は文2に進んでください
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:本を1冊選んで始めても、文1に入れる「学び終える日」は同じように決められます

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現状維持を選んだ人

文2を埋めます。「(何)が(どうなって)いる間は、残る」。書けたら、スマホのメモか手帳の最初のページに写しておきます。次に誰かの転職の話を聞いた時、開くのはそのページです。

次の飲み会で、今度はあなたが「決め手は何?」と聞かれるかもしれません。動く人は文1を、残る人は文2を、そのまま答えにできます。

この記事で確かめた公的な情報