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ふたりの関係

辞めるか残るかが決まらないとき、最悪を3つ書いて確率・影響・対処で見る

約6分で読めます

辞めるか残るかを考えるため、生活費と退路と一年後の条件を三枚に整理する

辞めるか残るかを決められないときに、最悪の場合を3つ書き出し、起こりやすさ・影響・自分で対処できるかの3点で整理して、移る・学ぶ・残るから選び、今日やることまで決める方法です。

辞めるか残るかを決められないとき、理由を聞かれても「なんとなく怖い」としか言えないことがあります。怖さがぼんやりしているうちは、備えようがなく、決められないまま時間が過ぎます。最悪の場合を3つ書き出し、それぞれを起こりやすさ、影響、自分で対処できるかの3点で見ると、怖さの中身が分かれます。

書き出す目的は、不安を増やすことではありません。「怖いのはこの3点で、そのうちいくつは備えられる」と言える状態にすることです。

読み終えると、生活費が何か月もつかを自分の数字で出せます。そのうえで、在職のまま動き始めるのか、先に学ぶのか、今の職場で1つ伝えるのかを選べます。

この記事で渡すもの

  • 迷いを具体的にする3つの問い
  • 起こりやすさ・影響・対処の3点での見方
  • 書けなかった問いの読み方と、移る・学ぶ・残るの選び方
生活費・退路・残る理由を三つのトレーで整理するイメージ

書く前に:眠れない、食欲がない日が続いている人へ

眠れない、食欲がないといった状態が続いている人は、書き出すより先に、体調の相談をしてください。書いているうちに不安が強くなって止まらなくなる人は、そこでやめて、日を改めるか、人と一緒に書きます。

怖さを具体的にする3つの問い

問い 書き方
1. 転職活動がうまく進まなかったら、生活費は何か月もつか 貯金額を、1か月の支出で割って月数を出す。感覚ではなく計算する
2. 入った先が合わなかったら、次にどうするか 1行で書く。「もう一度探す」でもよい
3. いまの職場に残ると決めた場合、1年後に何がいまと違っていればよいか 具体的な状態を1つ書く

1つ目の計算例です(説明用の架空の数字)。貯金が120万円、1か月の支出が20万円なら、120÷20で6か月です。退職後に雇用保険の給付を受けられる場合もありますが、受けられる条件や時期、金額は人によって違います。ハローワークで自分の場合を確かめ、分かるまでは計算に入れないでおくと安全です。

書く時間は15分ほどで区切ります。書けない問いは、空欄のままにします。

書いた3つを、起こりやすさ・影響・対処で見る

3つの問いに答えたら、それぞれについて次の3点を書きます。

見る点 書き方
起こりやすさ 高い・中くらい・低い・分からない。根拠を一言添える
起きたときの影響 生活や仕事にどのくらい響くか。戻せるかどうか
自分で対処できるか できるなら対策を1行。できないなら「できない」と書く

記入例です(架空の例)。

最悪の場合 起こりやすさ 影響 対処
転職活動が長引き、貯金が減る 中くらい。在職中に活動すれば下がる 大きいが、6か月の余裕がある 在職のまま活動を始める。退職は内定後にする
入った先が合わない 分からない 大きい。ただし再度探すことはできる 入社前に、配属先の人と話す機会を頼む
残って1年後も何も変わっていない 高い。この1年も変わらなかった 気持ちの面で大きい 1年後に違っていてほしいことを1つ、上司に伝える

景気や他人の反応のように、自分では動かせないものもあります。それらは「対処できない」と書いて、いったん脇に置きます。備えを考えるのは、対処できるものだけでかまいません。

いちばん大きい怖さから、原因を見分ける

先に、書けなかった問いがないかを見ます。

書けなかった問い 考えられること 次の一手
1(生活費) 毎月の支出を把握していない 先に1か月の支出を調べます。これは、転職を決めるより前の準備です
2(合わなかった場合) うまくいかなかったときの道を考えたことがない 「もう一度探す」と書けるかを確かめます。書ければ、思っていたより軽い場合があります
3(1年後) 残る場合の目標がない 残ると決めているのではなく、まだ決めていない状態かもしれません

1つ目が書けなかった人は、下のA・B・Cを見る前に、1か月の支出を調べるのが先です。

3つの問いのうち、いちばん大きい怖さがどれだったかで、次にすることが変わります。この分け方は、この記事での整理です。

  • A:生活費の怖さがいちばん大きい。月数を出してみたら、在職のまま動けば足りると分かった
  • B:入った先で通じない怖さがいちばん大きい。「もう一度探す」と書けないのは、自分の知識や経験に自信がないから
  • C:3つ目が書けた。残るなら、1年後に違っていてほしいことがある

3つ目に「来年の春に、今の案件を最後まで担当し終えている」のような答えが出るなら、今の職場でやることがあります。それは残る理由になりえます。

3つ目が書けず、なぜ今の会社に残っているのかも言えない人は、辞めなかった理由を年表にする方法で、残っている理由を先に出してください。

移る・学ぶ・残るを選ぶ基準と、今日やること

A・B・Cのどれに近いかで、選ぶ道と今日やることが決まります。

Aの人は、在職のまま動き始めます。退職は、次が決まってからにします。今日やることは、1か月の支出を明細で確かめ、月数の計算を自分の数字でやり直すことです。月数が出たら、ハローワークか転職サイトで、自分で募集を探し始めます。月数が足りても動く決め手がないときは、自分に決め手がないとき、作る基準で、「いつまでに何がどうなっていなければ動く」という一文を作ってください。

Bの人は、先に学びます。今日やることは、「通じないと感じるのは( )だ」の( )を1つ書くことです。何を学ぶかが決められないときは、求人3〜5件の応募条件から決める手順で、求人に書かれた条件から学ぶ1つを選べます。

Cの人は、今の職場に残ります。今日やることは、3つ目に書いた「1年後に違っていてほしいこと」を、上司に伝える一文にすることです。あわせて、それがかなわなかったらどうするかも1行書いておきます。

どれも決められない人は、無理に決めなくてかまいません。何が怖いのかが分かった状態で待つことと、ぼんやりしたまま悩むことは違います。

1人で書くと悪いことばかり並ぶ場合は、人に聞いてもらうと、対処できるものとできないものが分かれやすくなります。厚生労働省の委託事業である「キャリア形成・リスキリング推進事業」では、キャリア形成や学び直しの相談や支援を無料で受けられます(2026年10月に事業の案内ページで確認)。利用の条件は、事業の案内ページで確かめてください。

よくある質問

3つ書いても、決められません

すぐに決める必要はありません。3つを書いた紙は、残しておいてください。次に考えるときは、何が怖いのかが分かった所から始められます。

家族に反対されそうで、書けません

反対の理由は、お金、生活の変化、気持ちのどれかであることが多いです。どれに当たりそうかを分けてから話すと、何を説明すればよいかが見えてきます。

出典・この記事の前提

  • 厚生労働省委託事業「キャリア形成・リスキリング推進事業」(2026年10月10日確認)
  • 3つの問い、3点での見方、原因の分け方は、CareerPivotが整理した方法です。記入例と数字は架空のものです。
  • 雇用保険の給付や税金・社会保険の扱いは人によって異なります。個別の内容はハローワークなどの窓口で確認してください。