勉強しているのに評価につながらないとき、足りないのは勉強の量とは限りません。理由は少なくとも3つ考えられます。学びが仕事の成果として見える形になっていない。評価の基準と、学んでいることがずれている。学んでいる内容が、今の仕事と離れている。どれなのかで、次にすることが変わります。
目立てば評価される、という話ではありません。評価は会社ごとの基準で決まります。
読み終えると、3つの原因のどれに近いかを見分け、「1行で残す」「基準を聞く」「学ぶものを選び直す」のどれから始めるかを決められます。
この記事で渡すもの
- 「学んだこと」を「変わったこと」に書き換える型
- 残す場所と頻度の決め方
- 評価につながらない原因の見分け方と、原因ごとの次の一手

評価につながらない原因を、3つから見分ける
学んだ知識は、本人の中にあるだけでは周りから見えません。上司が評価の対象にできるのは、基本的に、仕事の結果として現れたものと、報告されたものです。「○○を勉強しました」という報告は、努力の報告にはなりますが、仕事がどう良くなったかは伝わりません。読む側が知りたいのは、その学びによって何が変わったかのほうです。
ただ、評価につながらない理由は、見え方だけではありません。次の3つの問いで、どの原因に近いかを見ます。
| 自分への問い | 「はい」の場合に近い原因 |
|---|---|
| この1か月で、学んだことを仕事で使った場面を1つ言える。ただ、それを上司に伝えていない | ①見えていない |
| 使った場面は伝えている。けれど、何が評価の対象になるのかを自分は知らない | ②基準とずれている、または基準を知らない |
| 学んだことを仕事で使った場面が、1つも思い出せない | ③学ぶ内容が今の仕事と離れている |
この分け方は、この記事での整理です。評価されない理由を判定するものではありません。
原因①「見えていない」人は、「変わったこと」に書き換える
原因①に近い人は、週報などに「学んだこと」ではなく「学びを使って仕事で変わったこと」を1行残します。評価の材料になりうる事実を、記録として残すための方法です。
型は「学んだこと+それを使った仕事+変わったこと」です。変わったことは、できるだけ数えられるもので書きます。
| 変わったことの種類 | 書き方の例(架空) |
|---|---|
| 作業時間 | 集計の関数を学び、月次の集計作業を約60分から約40分に短縮した |
| ミス | チェック手順を見直し、転記の差し戻しが今月は0件だった |
| 資料の質 | 図解の方法を学び、説明資料を1枚にまとめた。会議での質問が減った |
| 相手の反応 | 問い合わせ対応の文面を改め、再問い合わせが減ったと担当者から聞いた |
書き換えの例(架空)
書き換える前:「表計算の講座を受講しました」
書き換えた後:「表計算の講座で学んだ関数を使い、月次の集計手順を作り直しました。手作業が2つ減り、作業時間が約20分短くなりました」
数字は実際に測ったものだけを書きます。測っていなければ、今月から測り始め、それまでは「短くなった」「減った」と事実の範囲で書きます。効果を大きく見せる形容詞は足しません。事実だけの1行は、自慢ではなく記録として読まれやすくなります。
まだ仕事で使えていない学びは、無理に書きません。その場合は「来月、○○の作業で試す予定」と、使う予定を書きます。
どこに、どのくらいの頻度で残すか
残す場所は、上司が実際に読むところにします。
- 週報・日報がある職場:末尾に1行
- 定例会議の議事録がある職場:補足欄に1行(議事録の形式を変える場合は、先に確認を取る)
- どちらもない職場:上司との面談の前に、1か月ぶんをまとめて送る
頻度は週に1行で足ります。書くことがない週は書かなくてかまいません。あわせて、自分の手元にも同じ内容を残しておきます。評価面談や職務経歴書を書くときに、そのまま材料になります。
原因ごとの次の一手
近い原因によって、選ぶ道と最初の一手が変わります。
| 原因 | 選ぶ道 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| ①見えていない | 今の職場で残す(現状維持) | 「学んだこと+使った仕事+変わったこと」を1行、上司が読む場所に書く |
| ②基準を知らない | 基準を聞く(現状維持。答えによっては学ぶ・外と比べる) | 次の面談で「この変化は評価の対象になりますか」と聞く |
| ③仕事と離れている | 学ぶものを選び直す(資格の選び直し) | 学びを試せる作業が今の仕事にあるかを、1つ書き出す |
評価や昇給の条件を聞く言葉は、昇給の条件の聞き方に文例があります。
原因が「見えていない」で、学んだものをまだ人に見せていないなら、『勉強のアウトプットは未完成のまま出す。出してよいものと、出さないものの線引き』で、出してよいものと出さないものを分けて、1人に見せられます。
面談で聞いても評価の基準が示されない人、示された基準が今の仕事では満たせないと分かった人は、会社を替える道も選べます。そのときは、いつまでに何が示されなければ動くか、何が示されれば残るかを、先に一文ずつ書いておきます。書き方は、『友人の転職の決め手を聞いた。自分に決め手がないとき、作る基準』の穴のあいた3つの文で決められます。
今日すること
今日することは1つです。直近1か月で、学んだことを仕事で使った場面を1つ思い出し、型に沿って1行書いてください。思い出せなければ、それが原因③の手がかりです。
よくある質問
Q. 勉強しても評価されないのは、量が足りないからでしょうか
A. 量の場合もありますが、先に見え方を確かめるほうが手間は少なく済みます。仕事で変わったことを何週か記録し、それでも変化が書けなければ、学ぶ内容のほうを見直してください。
Q. 自分で成果を書くと、自慢に見えませんか
A. 学んだこと、使った仕事、変わったことを事実で書けば、報告として読まれます。評価や感想の言葉を足さないのがこつです。
この記事の前提
- 原因の3つの分け方と書き換えの型は、CareerPivotが整理した方法です。評価の決まり方は会社の制度によって異なります。
- 文例と数字はすべて説明用の架空の例です。