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職場での居場所

本番前の不安を書き出して、準備するものを3〜5個に絞る手順

約5分で読めます

たくさんの心配事から、自分で対処できる五つを選び出したメモ

本番前の不安を15分で書き出し、自分で対処できるか・可能性・影響で分けて、対策するものを3〜5個に絞る手順。使わないほうがよい場合もあわせて説明します。

大事な場面の前に、起こりうる失敗を次々に考えてしまうことがあります。頭の中で考え続けるだけだと、どの心配も同じ重さに感じられ、疲れるだけで終わります。書き出して、自分で対処できるものとできないものに分け、可能性と影響の大きいものだけに対策を決めると、準備することは3〜5個ほどに絞られます。

目指すのは、不安をなくすことではありません。準備する項目をはっきりさせることです。

この記事で渡すもの

  • 不安を準備に変える5つの手順
  • 時間の区切り方と、やめる目安
  • この方法を使わないほうがよい場合
多くの不安を書いたメモから対処すべき五つを選ぶ人

この方法を使わないほうがよいとき

書き出す前に、次の場合に当てはまらないかを確かめてください。

  • 書いているうちに不安が強くなり、止まらなくなるとき。その場合は中止します。日を改めるか、人と一緒に行います
  • 眠れない日や食欲のない日が続いているとき。準備より休養を優先します。状態が続く場合は、医療機関や相談窓口を使ってください。働く人向けの相談窓口は、厚生労働省の「こころの耳」で探せます
  • 心配の大半が、自分では対処できないことであるとき。書き出しても対策が立たないので、この方法は向きません

心配の大半が自分では動かせないことだった人は、1人で備えるより、相談と弱音を分ける型で、起きていること・自分の案・決めてほしいことの3行にして上司に渡すほうが早く片づきます。

また、よい結果を思い浮かべるほうが落ち着いて臨める人や場面もあります。その場合は、この方法を無理に使う必要はありません。

頭の中で回すのと、書き出すのとの違い

頭の中にある心配は、数も重さも分かりません。小さな心配と大きな心配が区別なく浮かんでは消え、同じものを何度も考えることになります。

書き出すと、数が決まります。数が決まると、1つずつ扱えます。扱ってみると、すぐ片づくもの、自分ではどうにもできないもの、本当に備えが必要なものに分かれます。

15分で行う5つの手順

手順 やること
1. 書く 起こりうる失敗を、思いつくまま書きます。「失敗する」ではなく「○○の数字の根拠を聞かれて答えられない」のように具体的に書きます
2. 対処できるかで分ける 自分で対処できるものに丸、できないものに線を引きます。相手の機嫌や当日の交通事情などは、できない側に入ります
3. 可能性を見る 丸を付けたものについて、起こりそうかどうかを高い・低いで書きます
4. 影響を見る 起きた場合に、どのくらい困るかを大きい・小さいで書きます
5. 上位だけ対策する 可能性が高いか、影響が大きいものから3〜5個選び、対策を1行ずつ書きます

全体を15分で区切ります。タイマーを使うとよいです。時間を決めないと、書くこと自体が新しい心配の種になります。

対策は1行で止めます。細かく書きすぎないでください。線を引いた項目(自分では対処できないもの)は、それ以上考えないものとして扱います。

行うのは前日の夜までにします。当日は、選んだ3〜5個の対策を読み返すだけにとどめます。

今日やること。次の本番を1つ選び、15分のタイマーをかけて、手順1と2だけを行ってください。

記入例

説明用の架空の例です。翌日に社内で発表をする場合を考えます。

書き出した項目 対処できるか 可能性 影響 対策
数字の根拠を聞かれて答えられない できる 高い 大きい 元データの出どころを1枚にまとめて手元に置く
画面が映らない できる 低い 大きい 資料を紙でも持っていく
時間が足りなくなる できる 高い 小さい 省略する箇所を先に決めておく
聞き手の機嫌が悪い できない — — 考えない
想定外の質問が来る 一部できる 高い 小さい 「確認して後ほど回答します」と答えると決めておく

この例では、書き出した5つのうち、対策を決めるのは4つ、考えないと決めるのが1つです。実際にはもっと多く書き出されることが多いですが、手順を通すと、対策が必要なものは一部に絞られます。

心配の中身が発表ではなく「辞めるか残るか」の人は、同じやり方で辞めるか残るかが決まらないとき、最悪を3つ書く方法へ進んでください。

よくある質問

書き出すと、かえって不安が増えませんか

書くだけで終えると増えることがあります。分ける、対策を決める、という後の手順まで行ってください。それでも増える場合は、中止してください。

準備しすぎて疲れてしまいます

自分で対処できない項目まで対策しようとしている可能性があります。手順2で線を引いた項目は、考えないと決めてください。

出典・この記事の前提

  • Julie K. Norem, Nancy Cantor (1986) “Defensive pessimism: Harnessing anxiety as motivation” Journal of Personality and Social Psychology 51(6), 1208–1217. 対象は米国の大学生で、実験室での課題を用いた研究です。 本記事の手順そのものは、この研究で検証された方法ではなく、CareerPivotが整理したものです。
  • 厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」(2026年10月11日確認)
  • 記入例は架空のものです。