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職場での居場所

言い返さなかった回数を、一週間だけ数えて4つに分ける

約6分で読めます

言い返さなかった場面と戻るまでの負担を、三列のノートで記録する

言い返さずに飲み込んだ場面を1週間記録し、言う必要がなかった・安全のために言えなかった・保留した・伝えたかったの4つに分けて、どの場面で言えなくなっているかを把握する方法です。

納得できないことを言われても、言い返さずに「はい」と答える。その前に、言ったらどうなるかを短い時間で考えています。1週間だけ場面を記録して4つに分けると、どの場面で言えなくなっているのかが分かります。

すべての場面で言い返そう、という記事ではありません。言わないことが適切な場面も多いからです。読み終えると、数えた結果に合わせて、今のまま続けて伝え方を変えるのか、相談を先にして移る準備に進むのかを選べます。

この記事で渡すもの

  • 相談を先に使う場合の目安
  • 1週間の記録の付け方と、言わなかった場面の4つの分け方
  • 伝えると決めたときの言い方と、結果ごとの進み方
言われたこと、言わなかったこと、戻るまでの時間を三列で記録するノート

言い返さないと決めるまでに、何を考えているか

言い返さないのは、ただ我慢しているのではなく、判断していることが多いものです。たとえば、言ったあとに職場の雰囲気がどうなるか。まわりの誰かが気まずくならないか。自分が「扱いにくい人」と見られないか。

判断した結果として黙っているので、外からは何も起きていないように見えます。会議は予定どおり終わり、誰も困りません。負担を感じているのは本人だけ、という状態になりやすいのです。

記録より先に、相談を使う場合

人格を否定する発言、性別や属性を理由にした扱い、脅し、無視のくり返しなどがある場合は、言い返すかどうかの問題ではありません。数えるより先に、相談を使ってください。

日時、場所、言われたこと、その場にいた人を、事実のまま記録に残します。記憶だけに頼ると、あとで説明が難しくなります。そのうえで、社内の相談窓口、人事、信頼できる上司に相談します。社内で相談しにくい場合は、各地の総合労働相談コーナーが使えます。都道府県労働局や労働基準監督署の中にあり、予約は要らず、相談は無料です。

記録を付けている間に、眠れない日が続く、朝に動悸がする、休日も気持ちが戻らない、といった状態になったら、記録より休むことを優先し、医療機関や「こころの耳」に載っている相談窓口に相談してください。

1週間、3つの欄で記録する

欄 書くこと
言われたこと・起きたこと 15字ほどで、事実だけ
言わなかったこと 言おうとしてやめた一言。なければ「なし」
気になっていた時間 別のことを考えられるようになるまでの、おおよその分数

記入例(架空)

火曜 10:20/「もっと力を抜いて」と言われた/量を減らしてほしい/25分

火曜 15:40/自分の案が、別の人の発言として通った/それは私も言いました/帰宅まで

水曜 9:05/挨拶が返ってこなかった/なし/10分

記録はスマホのメモで足ります。細かく書かなくて構いません。1週間たったら、日ごとの回数を見ます。特定の人がいる日、会議のある日、睡眠が短かった日などに偏っていないかを確かめます。偏りがあれば、問題は1日全体ではなく、その場面にあります。

言わなかった場面を4つに分ける

記録した場面を、次の4つに分けます。この4つは、この記事での整理です。

分類 意味 扱い
言う必要がなかった その場では気になったが、振り返ると言わなくてよかった そのままでよい
安全のために言えなかった 言うと不利益や報復が心配される。相手が強い立場にいる 言い方の工夫ではなく、記録と相談の対象にする
関係を保つために保留した いまは言わないと自分で決めた 保留と決めたことを記録する。くり返されるなら見直す
本当は伝えたかった 言えばよかったと、あとまで残っている 次の章で、伝えるかどうかを決める

4つに分けると、「自分は言えない人間だ」という大きな見方が、「この種類の場面で言えなくなっている」という具体的な見方に変わります。1つめと3つめが多ければ、言わなかったことは判断として機能しています。

「伝えたかった」ものを、伝えるかどうか決める

「本当は伝えたかった」に入ったもののうち、次の点に2つ以上当てはまるものを、伝える候補にします。

  • 記録の中に、くり返し出てくる
  • 自分の評価や担当する役割に影響する
  • 自分だけでなく、ほかの人にも起きている

伝えるときは、相手を責める形を避けます。

工夫 例
自分を主語にする 「確認させてください」「私の理解では」
過去ではなく、次からの話にする 「次回から、議事録の担当を交代制にしてもよいでしょうか」
事実に絞る 「先ほどの案は、私からも同じ内容を出していたので、その点だけ確認させてください」

伝えると決めた懸念が、会議で「ネガティブだね」と返されそうなら、「ネガティブだね」と言われる人のための、懸念の伝え方で、事実・リスク・対処案・決めてほしいことの4つに分けて書けます。

伝えても変わらない場合や、同じことがくり返される場合は、同じ相手に何度も言うより、上司や人事など別の経路に相談します。持っていくものは、3つの欄の記録です。日付、言われたこと、言わなかったこと、気になっていた時間が並んだ記録を、そのまま見せられる形にしておきます。上司に話すと評価が下がりそうで迷う人は、相談と弱音を分ける型で、起きていること・自分の案・決めてほしいことの3行を先に作ってください。

数えた結果から、残るか移るかを選ぶ

1週間数えた結果で、進む道を選びます。言えなかった理由は知識の不足ではないので、学んで解決する道はこの記事では扱いません。

  • 「言う必要がなかった」「保留した」が大半の場合。残ることを選べます。言わなかったことは、多くが自分の判断だったと分かります。気になる時間が長い場面だけ、対処を考えます。
  • 「伝えたかった」が多い場合。残ったまま、伝え方を変えます。候補を1つ選び、次からの話として1回伝えます。
  • 「安全のために言えなかった」がくり返しある場合。相談が先です。記録を続けて、相談先を使います。相談しても変わらないときは、移る準備に進みます。飲み込んだ相手が上司で、その日の機嫌で言うことが変わるために出せなかった場面が多い人は、上司の機嫌で仕事が止まる職場に、あと何年いるかを決めるで、止まった仕事を3つの箱に分けて数えてください。
  • ほとんど場面がなかった場合。疲れの原因は別のところにあります。仕事の量や睡眠を確かめてください。

今日やること。今日あった場面を、3つの欄で1つ記録します。移る準備に進む人は、記録を見ながら、次の職場で変わっていてほしい点を1つ書き出します。

よくある質問

記録を付けると、かえって落ち込みませんか

落ち込みが強くなる場合は、やめてください。1週間だけと期限を決めて行うのは、長く続けて負担にしないためです。

全部を言い返せるようになるべきですか

その必要はありません。言わないと決めることも判断です。伝えるのは、くり返されていて、影響が大きいものに絞ってください。

相談先・この記事の前提