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職場での居場所

上司の機嫌で仕事が止まる職場に、あと何年いるかを決める

約14分で読めます

承認待ちで仕事が止まる職場で、今後の期間を考える会社員

上司の機嫌で止まった仕事を「待ち」「聞き直し」「やり直し」の三つの箱に分けて数えます。いちばん多い箱から、移る準備を始める、学ぶ、頼み方を変える、のどれかを選び、この職場にあと何年いるかを自分で1行に書けます。

※この記事には広告(プロモーション)が含まれます。

朝、席に着いた上司の顔を見て、「今日は承認をもらいに行けるか」を決めている人がいます。上司の機嫌が悪い日は、その人が声をかけるのをやめます。すると、承認待ちの仕事は1日止まります。

この記事では、止まった仕事を三つの箱に分けて数えます。読み終えると、いちばん多い箱から「移る準備を始める」「学ぶ」「頼み方を変える」のどれかを選び、この職場にあと何年いるかを、自分で1行に書けます。

数える前に:強い言葉や態度を受けている人へ

上司がどなる、人の前で長い時間責めるといったことがある場合は、箱を数えるより先に、会社の外の公的な相談先を使ってください。次の内容は2026年10月11日時点のもので、電話番号や受付の時間は変わることがあります。

  • 総合労働相談コーナー(厚生労働省):都道府県の労働局や労働基準監督署の中など、全国378か所にあります。いじめ・嫌がらせをふくむ労働の問題を、面談か電話で相談できます。予約は不要で、無料です。受付の時間は場所ごとに違います。
  • こころの耳(厚生労働省の事業):働く人向けの電話相談(0120-565-455。平日17:00〜22:00、土曜日・日曜日10:00〜16:00。祝日、振替休日、年末年始を除く)のほか、SNSでの相談、メールでの相談(24時間受付)があります。

どちらも相談の窓口で、相談したことで職場の問題がなくなると決まっているわけではありません。また、こころの耳の相談では、病名の診断や治療方法の提示は受けられません。眠れない、食事がとれないといった体の変化が続いている時は、医療機関を受診することを先に考えてください。

「上司のせい」とひとまとめにしているうちは、年数を書けない

仕事が止まるたびに、「上司の機嫌のせいだ」と思う。別の日には、「自分の進め方が悪いのかもしれない」と思う。この二つを行き来しているあいだは、この職場にいつまでいるかを決められません。

全部が上司の側にあるなら、自分にできるのは職場を替えることだけです。全部が自分の側にあるなら、職場を替えても同じことが起きます。どちらなのかが分からないので、辞める決心も、続ける決心もつかないまま、毎朝、上司の顔を見ることになります。

止まった仕事を1件ずつ見ると、止まり方は一つではありません。この記事では三つの箱に分けます。この分け方は、この記事での整理です。調査や研究にもとづく分け方ではなく、上司がどんな人かを決めるためのものでもありません。

止まった仕事を入れる、三つの箱

箱 入れる仕事 例
箱1「待ち」 自分の案はできている。上司の承認か返事があれば進むのに、機嫌を見て出せなかった仕事 見積書はできていた。承認をもらいに行けず、取引先への提出が翌日になった
箱2「聞き直し」 やり方や判断が自分では分からず、上司に聞かないと進まなかった仕事 返品を受けてよい条件が分からなかった。聞けないまま、返事を保留にした
箱3「やり直し」 一度通ったもの、指示のとおりに作ったものについて、機嫌によって言うことが変わり、作り直した仕事 午前に了承された資料を、午後に「この形ではない」と言われて作り直した

表の例は、説明のために作ったものです。

どの箱か迷った時は、二つの質問で決めます。

  • 一度、上司に出したあとの話か。出したあとに言うことが変わったのなら、箱3。
  • 出す前の話なら、自分の案はあったか。案があって出せなかったのなら箱1。案がなく、聞かなければ決められなかったのなら箱2。

直近の出勤10日分を、1行ずつ書く

数えるのは、直近の出勤日10日分です。紙か、スマートフォンのメモに、止まった仕事を1件につき1行で書きます。書くのは四つです。

  1. 日付
  2. 仕事の名前
  3. 止まった長さ(半日/1日/2日以上)
  4. 箱の番号

書き方の例は、「10月2日/見積書の承認/1日/箱1」です。止まらなかった仕事は書きません。

思い出せない日は、送ったメールや、仕事で使うメッセージの記録を見ます。上司あてに送ろうとして下書きのままになっているもの、「のちほど伺います」と書いたきりになっているものが、手がかりになります。

10日分を書いたら、箱ごとに件数を数えます。次は例の数字です。

箱 件数(例)
箱1「待ち」 5件
箱2「聞き直し」 2件
箱3「やり直し」 1件
合計 8件(5件+2件+1件)

この例では、箱1がいちばん多くなりました。毎朝、上司の顔を見て感じていた重さは同じでも、中身は「待ち」がほとんどだった、ということが分かります。

数えたあとに書く1行 「あと何年」

件数の下に、数字を二つ書きます。

  • 上司が、今の席に何年いるか。
  • この会社のこの部署で、上司が替わったのは何年おきか。

二つ目が分からない時は、長く勤めている人に「前の課長は何年いましたか」と聞きます。その前の人についても聞ければ、何年おきかの見当がつきます。

二つの数字から、上司が替わるまでの見込みを出します。例の数字で、上司が今の席に3年いて、これまで4年おきに替わっていたなら、4年−3年=1年。見込みは、あと1年ほどです。これは見込みで、会社がそのとおりに動くと決まっているわけではありません。

替わった例が一度もない時、上司がその部署をつくった人である時は、見込みが立ちません。その場合は、見込みの欄に「立たない」と書きます。これも一つの答えです。

ここまで書いたら、紙のいちばん下に、次の形の1行を用意します。空いている所は、このあと原因を見分けてから埋めます。

(書く形)この職場に、あと◯年いる。そのあいだに、◯◯をする。

止まっている原因が上司の機嫌ではなく、無理な要求や強い口調そのものへの返し方なら、『職場の「合わない人」に消耗しない話し方』で、事実の確認・境界・代わりの案・記録の4つから返し方を選べます。

三つの問いで、多い箱の読み方を確かめる

いちばん多い箱が分かったら、次の三つの問いに答えます。箱の数だけで決めず、問いで確かめるのは、同じ箱でも、自分の側で減らせる場合と減らせない場合があるからです。

  1. 上司が替わる見込みを、会社の中の誰かが口にしたことがあるか。
  2. 止まった仕事のうち、自分に知識があれば聞かずに進められたものは、いくつあるか。
  3. 文面で頼んだ時と、口で頼んだ時とで、止まり方は違うか。

3の問いは、文面で承認を頼んだことがない人には答えられません。その時は、箱1に入れた仕事のうち一つを文面で出してから答えます。文面の形は、このあとのCに書いてあります。

原因 箱と問いの答え 選ぶもの
A:箱3が多い。上司が替わる見込みもなく、会社は上司のやり方をそのままにしている 箱3がいちばん多い。1は「ない」 転職
B:箱2が多い。自分で判断できる知識がなく、何でも上司に聞くので機嫌に左右される 箱2がいちばん多い。2で数えた件数が、箱2の半分より多い 資格
C:箱1が多い。口で頼む時だけ止まり、頼む形を変えれば進む 箱1がいちばん多い。3は「違う。文面なら進む」 現状維持

原因の分け方も、この記事での整理です。次の二つの場合は、読み方を変えます。

  • 箱1がいちばん多いのに、3が「違わない。文面でも止まる」だった人:頼む形では減らせない止まり方です。Aとして読んでください。
  • 箱3がいちばん多く、1が「ある」だった人:替わる時期を「あと何年」に書き、その時期までは、二番目に多い箱の進め方を使います。

箱3が多い人 年数を決めて、移る準備を始める(転職)

一度通ったものが作り直しになる止まり方は、自分の頼み方や知識では減らせません。上司が替わる見込みがなく、会社もそのやり方をそのままにしているなら、変えられるのは自分のいる場所です。

  1. 「あと何年」を書く。見込みが立たない人は、自分で年数を置く。
  2. 移る先に求める条件を書く。「承認の決まりが紙にある」「承認できる人が一人ではない」の二つ。
  3. 書いた年数より前に、探し始める。

手順1で自分で置く年数に、正しい数はありません。迷う時は、箱3の件数を1年分に直します。例の数字で、出勤10日で4件、月の出勤を20日とすると、月に8件(4件×2)、1年で96件(8件×12か月)です。この件数の作り直しを何年なら続けられるかを考え、その年数を書きます。

手順2の二つの条件は、箱3をそのまま裏返したものです。承認の基準が文書になっていれば、日によって判断が変わりにくくなります。承認できる人が複数いれば、一人の都合で止まることが減ります。話を聞く場で確かめられるように、「承認は、どなたが、どの基準で出していますか」という質問の形で書いておきます。

手順3の「前」をいつにするかは、この記事では、書いた年数の半分の時点と置きます。「あと1年」と書いたなら、半年後です。探し始めてから移るまでにかかる長さは人によって違うので、これは目安として置いた数字です。

詰まりやすい所は、「人のせいで辞めるのは、弱い理由ではないか」という引っかかりです。次の手は、理由を人の話ではなく、「仕事の決まり方」の言葉で言うことです。数えた件数が、そのまま理由になります。

(例)今の職場では、承認の基準が文書になっておらず、同じ内容でも日によって判断が変わります。直近の10日で、一度通った仕事の作り直しが4件ありました。判断の基準が決まっていて、承認できる人が複数いる環境で働きたいと考えています。

この文には、上司がどんな人かは入っていません。入っているのは、仕事がどう決まっているかと、件数だけです。4件は例の数字なので、自分の件数に入れ替えてください。

1行はこうなります。「この職場に、あと1年いる。そのあいだに、半年後から次の職場を探し始める」。

探し始める時期を書いたら、動く条件と残る条件を一文ずつ先に決めておきたい人は、『友人の転職の決め手を聞いた。自分に決め手がないとき、作る基準』で、穴のあいた3つの文を埋めて決められます。

箱2が多い人 聞かずに決められる範囲を広げる(資格)

箱2の仕事が止まるのは、上司の機嫌が悪いからだけではありません。自分で決められないことが多いほど、上司に声をかける回数が増え、機嫌に当たる回数も増えます。聞く回数そのものを減らせば、止まる回数も減らせます。

  1. 箱2に入れた仕事について、何を聞こうとしたのかを、1件ずつ一言で書き出す。
  2. 書き出したものを分野に分ける。お金の計算、契約や法律の決まり、道具やソフトの使い方、社内の手続き、など。
  3. 件数がいちばん多い分野を一つ選ぶ。
  4. その分野を、資格や講座で学ぶ。
  5. 学んだ分野の仕事は、「聞く」をやめ、「自分の案をつけて承認を頼む」に変える。

手順2で「社内の手続き」に入ったものは、会社の外では学べません。件数から外し、残りの分野でいちばん多いものを選びます。

詰まりやすい所は、何を学ぶかが決まらないことです。次の手は、聞き直しがいちばん多い分野から選ぶことです。件数が同じ分野が二つある時は、止まった長さが長かった方を選びます。行の三つ目に書いた「半日/1日/2日以上」を見れば分かります。

手順5まで進むと、その分野の仕事は箱2から箱1へ移ります。案を持って承認を頼む形になるので、Cの頼み方がそのまま使えます。学んだあとに止まる件数がどこまで減るかは、約束できるものではありません。学んで変わるのは、聞かなければ一歩も進めなかった仕事に、自分の案を持って臨めるようになる点です。

1行の例は、「この職場に、あと2年いる。そのあいだに、契約の決まりを学び終え、その分野は聞かずに案を出す」です。年数は、学ぶのにかかる長さから自分で置きます。

箱1が多い人 承認を頼む形を変える(現状維持)

箱1の仕事は、案ができています。止まっているのは、上司の顔を見て「今日はやめておこう」と決めた、その時です。口で頼むかぎり、頼む前に相手の顔を見ることになります。文面で頼めば、顔を見ずに出せて、出した時刻も残ります。

  1. 承認を頼む形を決める。文面で、期限と案をつける。
  2. 上司に「この形で出します」と伝える。
  3. 箱1の仕事を、その形で出す。

手順1の文面には、何の承認か、自分の案、いつまでに返事がほしいか、の三つを入れます。

(例)◯◯社あての見積書について、承認をお願いします。金額は前回と同じ条件で作りました。先方への提出が◯日の正午のため、前日の17時までにご確認いただけますか。直す所がある場合は、その行だけお知らせください。

手順2で伝える一文は、次のとおりです。理由を長く説明する必要はありません。

(例)承認のお願いは、今後は文面でお送りします。期限と案をつけますので、ご都合のよい時にご確認ください。

承認より前の、相談そのものが言い出しにくい人は、『起きていること・自分の案・決めてほしいことの3行』を先に書いてください。

詰まりやすい所は、文面で出しても返事が来ないことです。次の手は、期限の前に一度だけ確かめることです。二度、三度と重ねません。

(例)昨日お送りした◯◯社あての見積書の件です。本日の17時が期限のため、お知らせします。

確かめても返事が来ないことが続くなら、3の問いの答えは「違わない。文面でも止まる」に変わります。その時は、Aの進め方に移ります。

1行の例は、「この職場に、上司が替わる見込みの1年はいる。そのあいだに、承認はすべて文面で、期限と案をつけて出す」です。

転職・資格・現状維持、どれを選ぶかの基準

選ぶもの 選ぶ基準 「あと何年」の書き方
転職 箱3がいちばん多い。上司が替わる見込みを誰も口にしていない。文面で頼んでも止まる場合もここ 自分で年数を置き、その半分の時点から探し始める
資格 箱2がいちばん多い。知識があれば聞かずに進められた仕事が多い 学ぶのにかかる長さを年数にする
現状維持 箱1がいちばん多い。文面で頼めば進む 期限は置かないか、上司が替わる見込みの年数を書く

件数が同じ箱が二つあった時は、自分の側で減らせる箱から選びます。箱1と箱3が同じなら箱1(現状維持)、箱2と箱3が同じなら箱2(資格)です。

どれを選んでも、転職がうまくいくこと、学んだ知識で仕事が止まらなくなること、頼み方を変えれば承認が早くなることは、約束されません。決められるのは、この職場にいる年数と、そのあいだにすることです。

選んだ人の、今日の一手

転職を選んだ人

作り直した仕事を一つ、「日付/仕事の名前/止まった長さ/箱3」の形で書きます。書けたら、その下に「あと◯年」と、探し始める時期を書きます。転職サイトやハローワークで探す時も、人に相談する時も、「承認の決まりが紙にある」「承認できる人が一人ではない」の二つは、数えた本人にしか書けない条件です。

資格を選んだ人

昨日、上司に聞いたこと、聞こうとしてやめたことを一つ、一言で書きます。その横に、分野の名前を書きます。10日分がそろったら、いちばん多い分野に丸をつけます。何の資格や講座にするかは、丸がついてから調べれば間に合います。

学ぶと決めることと、講座に申し込むことは、別の決め事です。いちばん多い分野に丸がついた人には、その分野をオンラインの資格講座で学ぶ方法もあります。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。

  • 向く人:10日分の行を分野に分けて、聞き直しがいちばん多い分野が1つに決まった人。その分野に資格や講座があった人
  • 向かない人:多かった分野が「社内の手続き」だった人(会社の外では学べません)。箱1か箱3がいちばん多かった人は、それぞれの一手に進んでください
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:本を1冊選んで学んでも、「聞く」を「自分の案をつけて承認を頼む」に変える手順は同じです

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現状維持を選んだ人

承認を頼む文例と、「この形で出します」と伝える文例のうち、先に使う方を一つ選びます。選んだ文例の◯◯を、今止まっている仕事の名前と期限に入れ替え、下書きに保存します。

朝、上司の顔を見ることは、明日も変わらないかもしれません。それでも、紙の上に箱ごとの件数と1行があれば、その日に声をかけるかどうかとは別に、自分がここにいる年数は決まっています。

この記事で確かめた公的な情報

  • 厚生労働省 総合労働相談コーナー(設置数、相談できる内容、相談の方法。2026年10月11日確認)
  • 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(電話相談・SNS相談・メール相談の受付。2026年10月11日確認)

電話番号、受付の時間、設置数は、今後変わることがあります。使う前に、厚生労働省の案内で最新の内容を確かめてください。