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職場での居場所

辞めた同僚の仕事が回ってきた。どこまで、いつまで受けるか

約15分で読めます

辞めた同僚の仕事を引き受け、量と期限を確認する会社員

辞めた同僚の仕事が回ってきて帰りが遅くなった人へ。回ってきた仕事を4週の時間に直し、何時間分を何月何日まで受けるかを上司に選んでもらう文と、返事の読み方を書きました。枠を決めるか、学ぶか、会社を替えるかを選べます。

※この記事には広告(プロモーション)が含まれます。

同じ部署の同僚が辞めました。上司はあなたに引き継ぎの資料を渡して、「後任が決まるまで、とりあえずお願い」と言いました。あなたは「分かりました」と答え、その週から会社を出る時刻が遅くなっています。後任の話は、まだ出ていません。

全部は持てない。けれど、断れる立場でもない。そこで決めるのは「受けるか、断るか」ではありません。「何時間分までを、何月何日まで受けるか」です。

この記事で扱う悩み:辞めた同僚の仕事を「とりあえず」で引き受けたまま、量も終わりの日も決まらず、帰りが遅くなっている。

この記事で分かること

  • 回ってきた仕事を4週の時間に直す表と、原因を見分ける3つの問い
  • 受ける時間と終わりの日を上司に選んでもらう文例と、返事ごとの次の手
  • 今の職場で枠を決める・学ぶ・会社を替えるの選ぶ線と、今日する1つ

眠れない日や食事がとれない日が続いているなら、こちらが先

眠れない、食事がとれないといった体の変化が続いている人は、下の表を作るより先に、医療機関の受診を考えてください。話す先がほしい時は、厚生労働省の「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)が、働く人とその家族の相談を電話、SNS、メールで受けています。こころの耳の相談では、病名の診断や治療方法の提示は受けられません(2026年10月時点。今後変わることがあります)。

「とりあえず」には、量も終わりの日も入っていない

辞めたのは同僚で、残って仕事を引き受けているのはあなたです。上司の「後任が決まるまで、とりあえず」には、何件か、何時間か、いつまでかの数字が1つも入っていません。

ここで決めたいのは、次のことです。回ってきた仕事は4週で何時間あり、そのうち何時間を、何月何日まで受けるのか。

先に数字を作り、そのあとで3つの問いに答えます。原因の分け方は、この記事での整理で、公的な基準ではありません。

回ってきた仕事を、4週の時間に直す

1行に1つ、6つの欄で書く

下は書き方を見せるための例です。

回ってきた仕事(例) 4週の回数 1回の作業 1回の調べもの 4週の合計 聞ける人
請求書の発行 1回 1.5時間 2時間 3.5時間 いない
取引先からの問い合わせ 20回 15分 15分 10時間 いない
在庫の報告 4回 1時間 0分 4時間 上司
備品の発注 1回 不明 不明 不明 不明
展示会の準備 不明 不明 不明 不明 不明

「調べもの」は、古い資料を探した時間、過去のメールを読み返した時間、言葉の意味を調べた時間です。作業と分けて書くと、あとで原因を見分けられます。分からない欄は「不明」のままにします。不明が並ぶことも、上司に見せる情報です。

合計を出す

  • 請求書の発行:(1.5時間+2時間)×1回=3.5時間
  • 問い合わせ:(15分+15分)×20回=600分=10時間
  • 在庫の報告:1時間×4回=4時間
  • 合計:3.5+10+4=17.5時間(不明の2件は入っていない)

「いつまで」が要る理由を、年の数字で見る

時間外労働には、法律で上限が決められています。上限は原則として月45時間、年360時間です(厚生労働省の案内。2026年10月時点)。特別の事情があって労使が合意する場合の決まりは別にあり、業務や立場によって扱いが違う場合もあります。ここで言う時間外労働は、法律で決められた労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えた分で、会社の定時を過ぎた時間と同じとは限りません。

この数字を物差しとして借ります。たとえば、もともとの時間外労働が月20時間だった人に、上の17.5時間がそのまま乗ったとします(4週を1か月として数えた、粗い計算です)。

  • 月:20+17.5=37.5時間。月45時間の内側です。
  • 年:37.5×12=450時間。原則の年360時間という数字を上回ります。

月では原則の数字の内側でも、終わりの日がないまま続くと、年では原則の数字の外に出ます。「いつまで」を決める意味は、ここにあります。この計算は、残業が法律に合っているかを判断するものではありません。扱いに疑問がある時は、厚生労働省の総合労働相談コーナーで、面談か電話で相談できます。予約は不要で、無料です(2026年10月時点)。

数字を前に置いて、3つの問いに答える

  1. 何時間分を、何月何日まで受けるかを、上司と数字で話したことがありますか。
  2. 話した人へ。欄のある文面と、日付を入れた自分の案(どちらも原因Cの手順にあります)を送ったあと、答えの中に「日付」「自分が受けない仕事を、代わりに持つ人の名前」「分からない時に聞く人の名前」のうち、いくつが入っていましたか。後任を募集する予定は、あると言われましたか。
  3. 表の中に、1回の調べものが1回の作業より長い仕事はありますか。
原因 どういう状態か 問いの答え 合う道
A:人が抜けた分を補わないのが、職場のやり方になっている 数字を見せて聞いても、終わりの日も、仕事を持つ人も決まらない 欄のある文面を送り、日付を入れた自分の案も送った。そのあとも3つの欄がどれも空で、後任を募集する予定もない(答えがない場合を含む) 転職
B:引き継いだ仕事の言葉や判断の基準が、まだ自分のものになっていない 量よりも、調べる時間で遅くなっている 問い3が「ある」。止まるのは言葉か判断の基準(社内の置き場所や手順ではない) 資格
C:受ける枠と終わりの日を、まだ決めていない 「とりあえず」のまま持っている 問い1が「ない」 現状維持

問い1が「ない」人は、ほかの答えがどうであっても原因Cから始めます。数字を見せる前に会社を替えると、見せれば決まったのかを知らないまま離れることになるからです。

原因Aの線は、この記事で置いた目安です。3つの原因のどれにも当てはまらない時は、次のように進みます。

  • 話したが文面はまだ送っていない人:原因Cの手順3から始めます。
  • 文面を1回送っただけの人:原因Cを続けます。日付を入れた自分の案を送ります。
  • 3つのうち1つか2つは入っていた人:原因Cを続けます。空いている欄だけを、もう一度聞きます。
  • 3つとも入っていないが、後任の募集が始まっている人:原因Cを続けます。募集の締め切りの日を聞き、終わりの日として置きます。
  • 問い3が「ある」が、止まるのは資料の置き場所や社内の手順だという人:原因Cです。学ぶ話ではなく、聞く人を決めてもらう話になります。

原因C:枠と終わりの日を、上司に選んでもらう

引き受ける仕事の時間枠と終わる日を上司と決める
引き受ける仕事の時間枠と終わる日を上司と決める。

手順1:自分が持てる枠を先に計算する

枠は2つの足し算です。もとの仕事のうち、締め切りを後ろにずらせる分の時間と、残業として足せる時間です。残業に申請が要る職場では、足す時間を先に上司に確かめます。

例:もとの仕事でずらせる分が5.5時間、残業として足せるのが4週で8時間なら、枠は5.5+8=13.5時間です。回ってきた17.5時間から引くと、17.5−13.5=4時間が枠の外に残ります。例の表では、在庫の報告(4時間)がこの大きさです。

手順2:10分もらい、2つの形から選んでもらう

例:「◯◯さんから回ってきた仕事を表にしました。10分ほど見ていただけますか。」

例:「分かっている3件だけで、4週に17.5時間かかっています。もとの仕事から5.5時間分を遅らせ、残業を8時間足しても、4時間分が入りません。在庫の報告をほかの方に持っていただく形と、ほかの仕事を止める形の、どちらにしますか。備品の発注と展示会の準備は中身が分からないので、先に3件を進めます。この2件をだれが見るかを、◯日までに決めていただけますか。」

終わりの日は、回数の分かっている仕事のうち、いちばん間の空くものが2回終わる日を置きます。例の表なら、請求書の発行が2回終わる日です(この記事での置き方です)。上司が別の日を言えば、その日にします。

例:「この形を続けるのは、◯月◯日まででよいでしょうか。後任の方の時期が未定なら、その日に分担をもう一度決める時間をください。」

引き継いだ仕事が給料や評価に入るのかを確かめたい人には、増えた仕事と、給料・役職で変わったことを同じ表に書く方法があります。

手順3:その日のうちに、欄のある文面を送る

(例)本日確認した内容です。空いている所と違っている所があれば、書き足して返信をお願いします。

・受ける仕事:請求書の発行、取引先からの問い合わせ(4週で13.5時間)

・終わりの日:( 月 日)

・在庫の報告を持つ方:(お名前)

・請求書と問い合わせで分からない時に聞く方:(お名前)

・備品の発注、展示会の準備:見る方が決まるまでは、上の2件を先に進めます

かっこの3つが、問い2で数える3つです。返信でいくつ埋まったかが、次の判断の材料になります。

返事が、欄を埋めるものでなかった時

  • 「全部お願い」と返ってきた。断らずに、数字をもう一度返します。「5件すべてだと、分かっている3件だけで4週に17.5時間増えます。今の残業と合わせると月◯時間ほどです。この形で進める場合、いつまでと考えればよいでしょうか」。◯には、今の残業に17.5を足した数を入れます(例:20+17.5=37.5時間)。量が動かない時は、期限のほうを聞きます。
  • 「後任は未定」と返ってきた。分担を決め直す日だけをもらいます。
  • 返信が来ない。自分の案を、日付を入れて送ります。「◯日までにご指示がなければ、上の内容で進めます。備品の発注は◯日が締め切りなので、それまでに担当をお知らせください」。手をつけていない仕事に締め切りがあるなら、その日付も書きます。

原因A:空いたままの欄を、次の職場への問いにする

欄のある文面を送り、日付を入れた自分の案も送った。そのあとも3つの欄がどれも空で、後任を募集する予定もない。この場合、終わりの日は職場の側から出てきにくいと読めます(この記事での読み方です)。進む先は転職です。

手順1:欄を1つずつ、応募先に聞く問いに直す

空いたままだった欄 応募先に聞く問い(例)
終わりの日 「人が抜けた時、その方の仕事は、どのくらいの期間でどう分けていますか」
代わりに持つ人 「今回の募集は、どなたかの後任でしょうか。その方の仕事は、入社までどなたが持っていますか」
聞く人 「入社後、分からない点が出た時に最初に聞く方は、決まっていますか」

答えを聞いたら、その場で文面の3つの欄に書き写します。日付か人の名前が1つも書けない答えなら、今の職場と同じ空欄が残ると読みます。面接の答えが、配属先でそのとおりになるとは限りません。

手順2:募集の理由を確かめる

ハローワークに会社が出す求人の申込みの様式には、募集の理由を「欠員補充」「増員」などから選ぶ欄があります(2026年10月時点)。欠員の補充で入ると、辞めた人の仕事をまとめて受ける立場になることがあります。欠員の補充がいけないのではなく、その時は手順1の2つ目の問いを聞く、という使い方です。求人の画面で理由が分からなければ、応募先に自分で聞きます。

探すのは、働きながらにします。先に辞めると、引き継ぎと収入のない期間が同時に来ます。

探す時間がない時、抜けるのは悪いと感じる時

帰りが遅くて探す時間がないなら、受ける枠を文面のとおりに保ちます。人が足りない時期に抜けるのは悪い、と手が止まるなら、作った表を引き継ぎの資料として残します。

原因B:調べものが長い仕事を1つ選び、止まる所を分ける

例の表では、請求書の発行が当てはまります(調べもの2時間、作業1.5時間)。

手順1:止まった所を、3つの種類に分ける

止まる所の種類 例 埋め方
置き場所・社内の手順 前月の控えがどのフォルダにあるか分からない 聞く人を決めてもらう(原因Cの文面の欄)
言葉 「売掛金」「締め日」の意味を、毎回調べている 学ぶ
判断の基準 この金額をどの月の分として扱うかを、自分で決められない 学ぶ。社内だけの決まりなら聞く

学ぶのが合うのは、入門書の索引に載っている言葉と基準です。この3つの分け方は、この記事での考え方です。

手順2:学ぶ範囲を、資格の出題の範囲から借りる

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で、引き継いだ仕事に近い職業の名前を検索します。職業のページの「就業するには?」に関連する資格、「しごと能力プロフィール」に知識の分野が載っています(2026年10月時点)。

手順3:調べた時間がいちばん長い言葉を、1つだけ読む

止まった言葉ごとに、4週で調べた時間を横に書きます。例:「締め日」15分×2回=30分、「売掛金」30分×3回=1.5時間。時間のいちばん大きい言葉を1つ選び、出てきた資格の入門の級の出題の範囲で、その言葉が出てくる項目を1つだけ読みます。お金の記録なら、簿記の入門の級がその例です。資格を取れば仕事が早くなる、とは約束できません。目指すのは、同じ言葉を調べ直す回数を1つずつ減らすことです。

出題の範囲に自分の言葉が見つからない時は、社内だけの言い方の場合があります。聞く人の欄へ回します。帰りが遅くて学ぶ時間がない時は、先に原因Cの手順で枠を決めます。

3つの道を、同じ表に並べる

道 原因 選ぶ線 線に届いていない時
現状維持 C 何時間分を何月何日まで受けるかを、数字で話していない 文面と自分の案を送っても3つの欄がどれも空で、後任を募集する予定もないなら、転職の道へ
資格 B 調べものが作業より長い仕事があり、止まるのは言葉か判断の基準 止まるのが置き場所や社内の手順なら、聞く人を決めてもらう(現状維持の道へ)
転職 A 欄のある文面を送り、日付を入れた自分の案も送った。そのあとも3つの欄がどれも空で、後任を募集する予定もない まだ数字を見せていないなら、先に表を見せる。文面を1回送っただけなら、自分の案を送る。欄が1つでも埋まったなら、空いた欄を聞き直す

どれか1つが正解、という話ではありません。枠を決めたあとに調べものの長い仕事が残れば学ぶ道へ、枠が決まらなければ移る道へ進みます。書いた表は、後任が来た日にそのまま渡す資料になります。

道ごとに、今日は1つだけ

現状維持を選んだ人:表を3行書き、一言を写す

相手は、仕事を割り振った上司です。用件は、受ける枠と終わりの日です。順番は「表を書く」「合計を出す」「10分もらう」「文面を送る」です。今日は、回ってきた仕事を3行書き、回数と1回の時間を入れます。書けたら、原因Cの手順2の最初の例文をメモに写します。

資格を選んだ人:調べものの時間を、1件だけ計る

今日、引き継いだ仕事で調べものを始めた時刻と終えた時刻、調べた言葉を1行書きます。教材は、市販の入門書で足ります。

学ぶ言葉と範囲が決まったあとの学び方の1つに、オンラインの資格講座があります。スマートフォンやパソコンで学べます。

  • 合う人:取る資格と試験の時期が決まっていて、すき間時間に通信講座で学ぶと決めた人
  • 合わない人:学ぶ言葉をまだ決めていない人(先に、調べた時間を計ります)、市販の入門書で進められている人、いまは受講料を出せない人
  • 負担:受講料がかかります。学習時間は自分で確保する必要があり、合格は保証されません

合う条件に当てはまり、負担も確かめた人は、次のボタンから講座の案内ページへ進めます。申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。

広告|オンラインの資格講座

資格講座の内容と費用を見る

広告です。受講は有料です。ボタンを押すと、広告主の講座の案内ページに移ります。ページを見るだけでは申込みになりません。

学ぶ言葉をまだ決めていない人と、いまは受講料を出せない人は、先に調べた時間を計り、入門書で始めてください。

転職を選んだ人:空いたままの欄を1つ、問いに直す

送った文面を開き、空いたままの欄を1つ選んで、応募先に聞く問いを1つ書きます。その下に、表から「聞ける人がいないまま回した仕事」を1行写します(例:請求書の発行を、聞ける人がいない状態で、4週に3.5時間)。問いは応募先に聞くこと、写した1行は応募先に伝えられる経験です。求人は、厚生労働省のハローワークインターネットサービスでも探せます。

上の手順は自分で進められます。問いの作り方をだれかと話して決めたい人には、国が委託して行う無料のキャリア相談があります。働いている人と仕事を探している人が対象で、対面とオンラインがあります。申込みが必要で、事前に用意する書類(ジョブ・カード)があります。全部書けていなくても申し込めます。仕事の紹介は行っていません(2026年10月31日確認。今後変わることがあります)。

出典(国の案内と様式)

上限の時間や受付の方法は、今後変わることがあります。残業の扱いは、会社の協定や個別の事情で結論が変わります。使う前に、各ページで今の内容を確かめてください。