帰宅して鞄を置き、そのままソファに座ると、そこから立つのに力が要ります。意志に頼るかわりに、物の置き場所を1つ変えると、座るまでの流れが変わることがあります。帰宅後に勉強や転職の準備を始めたい人も、同じ考え方が使えます。例えば、帰ったらまず鞄を別の部屋に置きに行く、という決め方です。置き場所を1つだけ変えて、7日間、前と比べます。
この記事で渡すもの
- 変えられる置き場所の例
- 1つだけ変えて比べる手順
- 続きにくい工夫の特徴

始めるまでの手間は、物の置き場所で変わる
何かを始めるとき、その前に必要な動作が多いほど、始めにくくなります。本が棚にしまってあれば、棚まで行く、選ぶ、取り出す、という動作が先に必要になります。机の上に開いて置いてあれば、座って目を向けるだけで始められます。
反対に、やめたい行動は、手間を増やすと始めにくくなります。スマホが手の届く場所にあれば、考える前に手に取ってしまいます。別の部屋にあれば、取りに行くかどうかを一度考えることになります。
これは「合図を作る」方法とは少し違います。合図は、動き出すきっかけを作ります。置き場所の工夫は、動き出すまでの手間を増やしたり減らしたりします。
変えられる置き場所の例
| 変えるもの | 例 | ねらい |
|---|---|---|
| 鞄の置き場所 | 帰宅したら、居間ではなく別の部屋に置きに行く | 座る前に、1つ動作をはさむ |
| スマホの置き場所 | 帰宅後は、ソファのそばではなく玄関の棚や充電する場所に置く | 手に取るまでの手間を増やす |
| 教材や書類の置き場所 | 勉強の教材や、書きかけの職務経歴書を、しまわずに机の上に開いたまま置く | 始めるまでの手間を減らす |
| 着替えの置き場所 | 運動用の服を、目に入る場所にかけておく | 始めるまでの手間を減らす |
家族と暮らしていて物を出したままにしにくい場合は、自分の机や椅子の上だけ、というように範囲を決めてください。
1つだけ変えて、7日間比べる
変えるのは1つだけにします。置き場所を変えると、しばらくは落ち着きません。同時にいくつも変えると、その落ち着かなさが重なって、すべて元に戻したくなります。
変える前に、いまの状態を2〜3日記録しておきます。帰宅してから座るまでに何をしているか、座ってから次に立つまでどのくらいかかるか、といったおおよその様子で十分です。
そのうえで、置き場所を1つ変えて、7日間続けます。7日という期間は、平日と休日の両方を含み、最初の落ち着かなさが過ぎるまでの目安として置いたものです。
続かなかった工夫に共通すること
次のような工夫は、続かないことがあります。
- 自分で解除できる利用制限をかける。解除の方法を覚えると、効かなくなりやすい
- やることを書いた紙を貼る。しばらくすると、目に入らなくなりやすい
- 苦手な時間帯に、まとめてやろうとする
これらは、毎回「やるぞ」と決めることを必要とします。置き場所を変える方法は、一度変えれば、そのあとは決める必要がありません。続くかどうかは人によりますが、迷ったら、決める回数が少ないほうを選んでください。
置き場所を変えても、始めようとしている行動が大きすぎると始まりません。「1冊読む」ではなく「1ページ読む」のように、最初の動作を小さくしておきます。
今日やること
変える置き場所を1つ決めます。迷ったら、帰宅後の鞄かスマホのどちらかにします。
7日間続けても帰宅後の流れが変わらないときは、置き場所ではなく、始めるきっかけや疲れが原因かもしれません。合図を作る方法を試すか、休むことを優先してください。置き場所を変える前に、帰宅後の時間が何に消えているかを知りたい人は、自分のスマホ時間を先に確かめる方法から始めてください。
よくある質問
家族がいて、物を出したままにできません
自分の机の上だけ、椅子の上だけ、というように範囲を決めてください。範囲が狭くても、しまってある状態よりは始めやすくなります。
決めた置き場所に置くのを忘れます
玄関など、帰宅して最初に目に入る場所に、小さなメモを貼ってください。慣れるまでの間だけで構いません。
この記事の前提
- 置き場所の例と7日間の比べ方は、CareerPivotが整理した方法です。本文中の場面は説明用の例です。