本文へ移動

友人とのつきあい

友人が異業種に転職できた。自分にもできるかを一枚で確かめる

約13分で読めます

今の作業と異業種で求められる作業の重なりを確かめる手元

今の仕事で毎週している作業と、行きたい仕事で求められることを紙一枚の左右に10個ずつ書き、線で結んで数えます。本数から、今の経験のまま動くか、先に1つ学ぶか、今の仕事で続けるかを決められます。

※この記事には広告(PR)が含まれます。

この記事を読むと、今の仕事と行きたい仕事がどれだけ重なっているかを紙一枚の上で数え、今の経験のまま動くのか、先に1つ学ぶのか、今の仕事で続けるのかを決められます。必要なのは、紙とペンです。

友人の報告を聞いて、「自分は?」と思った

営業をしていた友人が、別の業種の、別の仕事に就いた。久しぶりに会って話を聞くと、覚えることは多いが楽しいと言う。よかったねと言いながら、頭の片すみで「自分にもできるかもしれない」と思った。

けれど、根拠がありません。友人と自分は、してきた仕事も、年数も、得意なことも違います。友人ができたことは、自分ができる理由にはなりません。できない理由にもなりません。

30代の人なら、もう1つ気になることがあるはずです。今の仕事を長く続けてきたぶん、それを置いて別の仕事に行けるのか、ということです。

「できるかも」と「でも根拠がない」の間で止まっているのは、比べる相手を友人にしているからです。比べるのは、「今の自分の仕事」と「行きたい仕事」です。この2つを一枚の紙に並べれば、重なりは数えられます。

一枚の紙を左右に分ける

A4くらいの紙を横に置き、真ん中に縦の線を引きます。左の上に「今の仕事で毎週していること」、右の上に「行きたい仕事で求められること」と書きます。左右に10個ずつ書き、近いものを線で結び、本数を数えます。することはこれだけです。

右側を書くときに、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)を使います。職業ごとに、仕事の内容や求められることが載っているサイトです(2026年10月11日に確認。載っている内容は今後変わることがあります)。

左側:今の仕事で毎週している作業を10個書く

左側は、自分のことなので書けそうに見えます。ところが、書いてみると「営業」「事務」「管理」のような大きな言葉で止まりがちです。大きな言葉は、右側と結べません。次の3つを守って書きます。

  • 動詞で終わらせる。「〜を作る」「〜に説明する」「〜を確かめる」。
  • 相手、道具、数のうち、分かるものを入れる。
  • 今の職場でしか通じない呼び名を使わない。
大きな言葉 作業に直した書き方(例)
営業 取引先20社に月に1回会い、次の注文の数を聞く
事務 毎月の請求書を100件ほど作り、金額の違いを見つけて直す
管理 5人の予定を1週間ぶん組み、遅れが出たら順番を入れかえる

10個出てこないときは、先週の予定表と、先週送ったメールの件名を上から見ていきます。会議、電話、資料、確認、報告。1つずつが作業です。

書き終えたら、3年以上続けている作業に丸をつけます。長く続けた作業は、線で結べたときに太い線になります。役職についている人は、「人に仕事を教える」「予定を組む」「部署の間に入って話をまとめる」も作業として書いてください。自分では仕事と思っていないことが、右側と結べることがよくあります。

下は、会社向けの営業を6年している人が書いた場合の例です。書き方を見るためのもので、実際の誰かの記録ではありません。

  1. 取引先20社に月に1回会い、次の注文の数を聞く(丸)
  2. 見積もりを作り、値段と納める日を説明する(丸)
  3. 納める日に遅れが出そうなとき、工場と取引先の間に入って日を決め直す(丸)
  4. 苦情の電話を受け、何が起きたかを聞き取って記録する(丸)
  5. 月末に売上の数字を表にまとめ、上司に報告する(丸)
  6. 新しく入った人に、見積もりの作り方を教える
  7. 新しい取引先の候補を調べ、電話で会う約束を取る(丸)
  8. 契約書の中身を取引先と読み合わせる
  9. 商品の説明の資料を、相手に合わせて作り直す(丸)
  10. 展示会で、初めて会う人に商品を説明する

右側:行きたい仕事で求められることを10個書く

右側は、想像で書きません。調べて書き写します。

  1. job tagを開き、行きたい仕事の名前を検索の欄に入れる。友人が就いた仕事に関心があるなら、その名前をそのまま入れます。名前が分からないときは、テーマや職種の分け方から探せます。
  2. 職業のページの「どんな仕事?」を開く。その職業でする作業の一覧が載っています。上から順に書き写します。
  3. 「しごと能力プロフィール」の欄にあるスキルや知識から、数字の大きいものを足す。
  4. 「就業するには?」を読み、求められる免許や資格、学ぶ道すじが書かれていれば、それも1つとして書く。
  5. 10個に足りなければ、「類似する職業」から近い職業のページを開いて足す。

載っているのは、その職業の一般的な情報です。会社ごとの仕事の中身と、すべて同じとは限りません。それでも、想像で書くよりは、ずっと確かな右側になります。

ここで手が止まる人がいます。仕事の名前を入れられない。ページを開いても、書き写す気になれない。そのときは、右側を無理に埋めないでください。右側が書けないこと自体が、このあとの見分けに使う大事な答えです。

近いものを線で結び、本数を数える

左と右を見比べ、近いものを線で結びます。「近い」の決め方は、この記事では次のようにします。

  • 相手や商品を入れかえても、していることが同じなら結ぶ。たとえば、左の「取引先に会い、注文の数を聞く」と、右の「利用する人の要望を聞き取る」は、相手が違うだけで、聞き取るという動きは同じです。
  • 左の1つから引ける線は、1本まで。1つの作業を何本にも数えません。
  • 迷ったものは結ばない。あとで数が甘くなるのを防ぎます。
  • 丸のついた作業から引く線は、太く書く。

結び終えたら、数を書きこみます。

数えるもの 数
線の本数 ( )本
そのうち太い線 ( )本
右側で、どこからも線が来なかったもの ( )個

3つの問いで、今いる場所を見る

  • 問い① 線は何本引けましたか。
  • 問い② 右側を10個書けましたか。
  • 問い③ 友人の話を聞く前から、その仕事に関心がありましたか。
今いる場所 答えの並び 合う道
A:線が多く引けた 右側を10個書けた。線が5本以上 転職
B:線が少ない。右側は書けた 右側を10個書けた。線が4本以下 資格
C:右側が書けない 右側が埋まらなかった。問い③が「いいえ」のことが多い 現状維持

A・B・Cの分け方は、この記事での整理です。向き不向きを決めるものではありません。「5本」という境目は、10個のうち半分という、この記事での目安です。調査などで決まった数字ではありません。4本か5本で迷う人は、太い線の数を見てください。太い線が2本以上あればA、なければBとして読みます。長く続けた作業と重なっている線は、同じ1本でも、相手に伝えられる中身が多いからです。

問い③は、Cを見分ける助けになります。友人の話を聞くまで関心がなかった仕事は、右側が埋まりにくいものです。それは力が足りないからではありません。ひかれたのが、仕事の中身ではなく、友人の今の様子だったからです。

A:線が多く引けた人は、今の経験のまま動く

線が5本以上引けた人は、今している作業の半分以上が、行きたい仕事で求められることと重なっています。足りないのは経験ではなく、経験を相手に伝わる言葉にすることです。

手順1 結んだ左の作業を、行きたい仕事の言葉に言い直す。左の書き方のままでは、今の業界の人にしか伝わりません。相手の名前と商品の名前を外し、動きだけを残して、右側の言葉を借ります。下は言い直しの例です。

今の仕事での言い方 言い直した言い方
取引先20社を毎月回る 決まった相手と続けてやり取りし、小さな変化に気づく
見積もりを作って値段の話をする 条件を数字で示し、相手と折り合う点を決める
苦情の電話を受ける 困っている人の話を聞き、何が起きたかを順に整理する
新しく入った人に仕事を教える 手順を言葉にして、相手ができるようになるまで付き合う
月末に売上をまとめて報告する 数字を集め、読む人が分かる形にして伝える

手順2 言い直した言葉で探す。職業の名前だけで探すと、経験者向けの募集ばかりに見えて、手が止まります。言い直した言葉が仕事の内容に出てくる募集を探すと、名前は違っても重なりの多い仕事を見つけやすくなります。応募の書類にも、言い直した文を、太い線から順に並べます。

詰まる所と次の手。言い直しができないときは、次の型に入れます。

(右側の言葉)にあたる経験として、(左側の作業)を( )年続けてきた。

例:「利用する人の要望を聞き取る」にあたる経験として、取引先20社から毎月の注文の見こみを聞く仕事を6年続けてきた。

型に入れても文にならない線は、近いと思ったが実は遠かった線です。消して、本数を数え直してください。4本以下になったら、Bとして読み直します。

言い直しはできたのに、動く決め手が決まらない人は、自分に決め手がないとき、作る基準で、動く条件と残る条件を一文ずつ書けます。

B:線は少ないが右側は書けた人は、1つ学んで線を増やす

右側を10個書けたということは、行きたい仕事の中身を知っているということです。足りないのは、重なりの数です。全部を埋めようとせず、1本ずつ増やします。

手順1 結べなかったものから1つ選ぶ。右側で線が来なかったものを見て、1つに丸をつけます。

手順2 学ぶ。丸をつけたものに、資格の形があるかを調べます。job tagの「就業するには?」に、関係する免許や資格が書かれていることがあります。資格がある場合は、その試験の範囲を、学ぶ順番として使います。範囲が決まっているので、どこまでやれば1つぶんなのかが分かります。

講座で学ぶつもりの人は、申し込む前に『教育訓練給付を調べていない人へ。講座代が戻る条件を先に確かめる』の5つの項目で、国の給付を受けられるかを確かめてください。

手順3 線を1本増やす。学んだ内容を、今の仕事の中で1回使います。使えたら、左側に11個目の作業として書き足し、右側と結びます。たとえば、数字のまとめ方を学んだ人なら、「月末の報告の表を、学んだやり方で作り直した」と書けます。学んだだけでは線になりません。左側に書ける作業になって、はじめて1本です。

詰まる所と次の手。結べなかったものが6個も7個もあると、どれから学ぶかで迷います。そのときは、多くの募集に出てくるものから選びます。行きたい仕事の募集を5件開き、結べなかったものがそれぞれ何件に出てくるかを、正の字で数えてください。一番多かったものが、最初の1つです。同じ数のものが並んだら、今の仕事の中で使う場面があるほうを選びます。手順3に進みやすいからです。

1つ学べば移れる、とは言えません。分かるのは、線が1本増えたこと、その1本を増やすのにどれだけ時間がかかったかです。それが分かれば、残りを増やすのか、ここで動くのかを、自分の数字で決められます。

C:右側が書けなかった人は、まぶしさの中身を見る

右側が埋まらなかった人は、行きたい仕事がまだ決まっていません。友人がまぶしく見えた。それで「自分も」と思った。ここまでは自然なことで、恥ずかしいことではありません。ただ、まぶしさの中身が分からないまま動くと、仕事を替えても同じ気持ちが残ります。

手順1 友人の何がまぶしかったのかを書く。次の4つから、一番近いものを1つ選びます。

まぶしかったもの こう感じたなら、これ
仕事 話していた仕事の中身が面白そうだった
人 一緒に働く人や、関わる相手の話がうらやましかった
時間 帰る時間や休みの取り方が変わったと聞いて、ひかれた
お金 収入が変わったと聞いて、気になった

手順2 今の仕事で、それに近づくことを1つ決める。

  • 仕事を選んだ人:左側の10個から、一番やっていたい作業に印をつけます。その作業を増やせないか、上司に伝えます。「( )の作業をもっと担当したいです。来月から、1件多く任せてもらえませんか」。
  • 人を選んだ人:今の仕事の中で、話していて力をもらえる相手を1人書きます。その人と関わる機会を、今月1回増やします。
  • 時間を選んだ人:今月のうち1日、帰る時間を先に決め、その日にしたいことを予定に入れます。決めた時間に帰るために、何を前の日までに終えるかを書きます。
  • お金を選んだ人:自分の会社で給料がどう決まるのかを、就業規則や人事の資料で確かめます。次に上がる条件が分からなければ、上司に聞きます。「自分の給料が次に上がるのは、どんなときですか」。

詰まる所と次の手。「何がまぶしかったのか、自分でも分からない」ときは、友人の話の中で、一番よく覚えている一言を書いてください。その一言が、仕事・人・時間・お金のどれについてだったかを見ます。覚えているのは、そこにひかれたからです。

手順2をしたあとで、行きたい仕事の名前が浮かんだら、そのときにもう一度、紙を左右に分けてください。前より右側が書きやすくなっているはずです。

まぶしさの中身が「恋人が転職して生き生きしていること」だったなら、恋人が転職して生き生きしている。その焦りは羨ましさか、遅れかで、引っかかった言葉を3つ仕分けて、焦りの中身を分けられます。

動く・学ぶ・今の仕事で続けるを決める

今いる場所 選ぶ道 することを一言で
A:線が多い 転職 結べた作業を、行きたい仕事の言葉に言い直して探す
B:線が少ない。右側は書けた 資格 結べなかったものを1つ学び、線を1本増やす
C:右側が書けない 現状維持 まぶしかったものを1つ選び、今の仕事で近づく

友人が別の仕事に就けたのは、友人の紙に、友人なりの線があったからです。その線は、こちらの紙には写せません。自分の紙に何本あるかだけが、自分の答えになります。

今日の一手

今の経験のまま動く人

今日は、左側の10個を書き直します。一度書いた人も、言い直しの表を見たあとで読み返すと、大きな言葉のままの行が見つかります。そこを作業の言葉に直してください。直した10個があれば、言い直しの文は明日からでも作れます。募集は、言い直した言葉を検索の欄に入れて、自分で探していけます。

1つ学ぶ人

今日は、右側で結べなかったものの中から、1つを選んで丸をつけます。迷う人は、募集を5件開いて正の字で数える所までを今日してください。丸がついたら、それに関係する資格があるかを、job tagの「就業するには?」で見ます。試験の範囲が分かれば、それに沿った本を1冊選んで、自分で始められます。

学ぶと決めることと、どの講座に申し込むかを決めることは、別の決め事です。下の広告は、スマートフォンやパソコンで学ぶ形の、有料の資格講座です。扱っている資格は講座ごとに決まっています。

  • 向く人:右側で結べなかったものから1つに丸をつけ、関係する資格と試験の範囲を確かめた人。
  • 向かない人:線が5本以上引けた人(Aの言い直しへ)。右側が書けなかった人(Cへ)。
  • 申込み後に起きること:申込みの流れ、支払いの時期と方法、受講できる期限、解約や返金の決まりは、講座ごとに違います。申し込む前に、案内ページで確かめてください。
  • 使わない場合:試験の範囲に沿った本を1冊選んで、自分で始められます。

広告|オンラインの資格講座

資格講座の内容と費用を見る

広告です。受講は有料です。ボタンを押すと、広告主の講座の案内ページに移ります。ページを見るだけでは申込みになりません。

今の仕事で続ける人

今日は、友人のまぶしかった点を1行で書きます。「( )が、まぶしかった」。書けたら、4つのどれに当たるかに丸をつけます。手順2で何をするかは、明日決めれば足ります。1行を書いた紙は、左右に分けた紙と一緒に取っておいてください。