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職場での居場所

「君しかいないから」で引き受けた仕事を、自分が休める仕事に変える10行の手順

約6分で読めます

手順書を共有し、担当者が休んでも仕事が進むようにした職場

自分しか手順を知らない仕事を、10行の手順書にして共有し、別の人に1回実行してもらって直すまでの4段階。自分がいなくても仕事が1回進む状態を目指します。

自分しか手順を知らない仕事があると、休んだ日にも連絡が来ます。これを変える方法は、手順を10行で書き、共有し、ほかの人に1回やってもらい、止まった所を直すことです。書くだけでは足りません。別の人の手で1回進んで初めて、その仕事は自分から離れます。

この記事では、その4つの段階を順に示します。目指すのは、自分がいなくてもその仕事が1回進むことです。読み終えると、当てはまる仕事を1つ選び、10行のうち最初の3行を今日書けます。

仕事の手順書を共有の資料置き場に置く人

自分にしか分からない仕事の見分け方

「君しかいないから」と頼まれる仕事のすべてが、引き継げないわけではありません。次の3つに当てはまるものから手を付けると、進めやすくなります。これはCareerPivotが整理した目印で、当てはまる数で何かを判定するものではありません。

目印 起きていること
口頭だけで頼まれる 依頼の記録が残らず、後から探せない
期日が決まっていない 「なるべく早く」で来るため、自分の予定のほうが動く
終わったことを誰も知らない 完了の合図がなく、次回も同じ形で自分に来る

最初の1件は、短く終わる仕事を選びます。毎月や毎週くり返すものだと、後の段階で「別の人に1回やってもらう」機会がすぐ来ます。

段階1|10行の手順を書く

文章にせず、行に切って並べます。読む人は、その仕事を初めてやる人だと考えます。下の記入例は、説明用の架空の例です。

行 書くこと 記入例(架空)
1 仕事の名前 月次会議の議事録まとめ
2 いつ発生するか 毎月の定例会議の当日
3 誰から依頼が来るか 課長
4 最初にやること 共有フォルダから前月分を開いて複製する
5 次にやること 決まったことだけを上の欄に移す
6 迷いやすいところと決め方 保留の扱い。日付と担当を付けて下の欄に残す
7 どこに置き、誰に知らせるか 共有フォルダに置き、参加者へ知らせる
8 期限とかかる時間 会議の翌営業日まで。約40分
9 過去に問題が起きたところ 発言内容の食い違い。発言者に確認してから載せる
10 困ったときに聞く相手 前任の担当者(自分)。不在時は課長

うまく書けていなくてかまいません。半分しか埋まらなくても、次の段階に進めます。抜けている行は、ほかの人がやってみたときに見つかります。

気持ちや人への評価は書きません。パスワードなどの認証情報も手順書には書かず、社内で決められた方法で管理します。

段階2|見られる場所に置いて知らせる

自分だけが開くメモに置いても、状況は変わりません。チームの共有フォルダや社内の文書置き場など、ほかの人が探せる場所に置きます。共有の場所がない場合は、依頼してくる人に宛てた連絡の本文に貼ります。

置いたら、上司に一言知らせます。黙って置くと、手順書があること自体が知られないままになります。

知らせる文面の例

「月次会議の議事録まとめの手順を10行にして、共有フォルダに置きました。私が不在のときにも進められるようにしたいので、来月は一度ほかの方に試していただけないでしょうか。」

手順を外に出すと自分の出番がなくなるのでは、と不安になることがあります。ここでやっているのは、仕事を手放すことではなく、仕事に名前と手順を付けることです。手順を書いた人は、その仕事をいちばん説明できる人として残ります。

書いた10行を、職務経歴書に書ける実績にしたい人は、外でも伝わる実績に書き換える手順へ進んでください。同じ10行に、判断・相手・結果の3つを足します。

段階3|別の人に1回やってもらう

ここがいちばん大事な段階です。手順書は、書いた本人には分かるように書かれています。ほかの人が実際にやってみるまで、足りない行は見つかりません。

  • 誰に頼むかは、上司に決めてもらいます。勝手に同僚へ仕事を回しません
  • 頼むときは、「手順書の試し読み」として1回だけと伝えます
  • やってもらっている間は、聞かれるまで口を出しません
  • 聞かれたこと、手が止まった所をメモします

引き受けてくれる人がいない場合は、自分が手順書だけを見て、書いてあることしかやらないと決めて1回通します。頭の中の知識で補った所が、抜けている行です。

段階4|止まった箇所を直す

メモした所を手順書に反映します。止まり方によって、直し方が違います。

止まり方 直し方
物の場所が分からなかった ファイル名や保存場所をそのまま書く
判断に迷った 決め方を1行足す。決められない場合に聞く相手も書く
社内の呼び方が通じなかった 一般的な言葉に言い換える
権限がなくて進めなかった 必要な権限を上司に伝え、付与するかどうかを決めてもらう

別の人の手で1回最後まで進んだら、手順書を直して残します。同じやり方で、次の1件に進みます。

書いたのに誰も実行していない場合は、上司に、試す人と日を決めてもらうよう頼みます。「来月の定例のあと、どなたかに一度試していただけますか。日を決めていただけると助かります」のように、日付まで頼みます。

共有や引き継ぎを断られた場合、仕事が増える一方の場合は、依頼された日時と内容を記録に残します。

手順を渡しても仕事だけが増えるとき

引き継ぎを試しても、名前のない仕事が増え続けることがあります。その場合、足りないのは手順書ではありません。仕事の割り当て方そのものを、上司と話す段階です。

手順を渡しても「期待してるから」と仕事だけが増える人は、期待と給料を同じ表に書く方法で、この1年で増えた仕事と、給料・役職の変化を並べてください。上司に聞くのか、学ぶのか、会社を替えるのかは、その表を見てから決められます。

今日やることは、当てはまる仕事を1つ選び、10行のうち1行目から3行目までを書くことです。仕事の名前、いつ発生するか、誰から依頼が来るか。ここまで書ければ、残りの行は、実際にその仕事をするときに埋められます。

この記事の前提

  • 3つの目印と4つの段階は、CareerPivotが整理した方法です。研究で確立された手法ではありません。
  • 記入例と文面はすべて説明用の架空の例です。社内の情報共有や権限のルールは勤務先によって異なるため、自社の決まりを優先してください。