作業中に通知が来て、返信し、ついでに別の連絡も読み、戻ってきたときには何をしていたか思い出せないことがあります。通知に反応している時間は短くても、元の作業に戻るまでの時間を含めると、失われる時間はそれより長くなります。
ただ、どのくらい失っているかは人によって違います。対策の前に、自分の中断の回数を3日だけ数えます。そのうえで、設定を1つだけ変えます。自分では設定を変えられない職場の進め方も、後ろの章に書いています。
この記事で渡すもの
- 中断について、研究で分かっていること
- 3日間の数え方
- 変える設定の候補と、自分では変えられない職場での進め方

中断で失われるのは、通知を見ている時間だけではない
中断されたあと、元の作業にすぐ戻れるとは限りません。マークらが2005年に発表した研究は、情報を扱う仕事をしている人たちを職場で観察し、作業が頻繁に細切れになっていること、中断された作業に戻るまでに別の作業をはさむことが多いことを報告しています。
この研究は米国の職場での観察であり、対象の人数も多くありません。「1回の中断で何分失う」といった決まった数字が、どの職場にも当てはまるわけではありません。確かなのは、中断のたびに「どこまでやったか」を思い出す手間が生じる、という点です。
集中が切れるのを、自分の意志の弱さのせいにする必要はありません。通知は、注意を引くように設計されています。
まず3日、中断の回数を数える
| 数えるもの | 数え方 |
|---|---|
| 通知で作業を中断した回数 | 紙に正の字を書く。スマホの「通知の回数」の表示を使ってもよい |
| 自分から連絡ツールを開いた回数 | 通知がなくても確認しにいった回数 |
| 中断のあと、元の作業に戻れなかった回数 | 別の作業を始めてしまった回数 |
3日というのは、日による偏りをならすための最小限の期間です。会議の多い日と少ない日が混ざるように選びます。正確でなくて構いません。おおよその回数と、多い時間帯が分かれば足ります。
変えるのは1つだけにする
数えた結果を見て、いちばん多かった種類に対応するものを1つ選びます。
| 多かったもの | 変えることの候補 |
|---|---|
| 通知による中断 | 集中したい時間帯だけ通知を切る。音だけでなく、アイコンの数字の表示も消す |
| 自分から開く回数 | 確認する時刻を決める。例えば、1時間に1回、または午前・昼・夕方の3回 |
| 会議による細切れ | 招待を受けたとき、目的を確認する。「準備したいので、この会議で決めたいことを教えていただけますか」 |
変えるのは1つだけにします。複数を同時に変えると、どれが効いたのか分かりません。回数が変わらなければ、元に戻して別の候補を試します。
通知を切ることに不安がある場合は、短い時間から始めます。まず1日のうち1時間だけ切ってみてください。急ぎの連絡が多い職種や、すぐに応答することが役割に含まれる場合は、上司やチームに相談してから行います。勝手に切ると、仕事に支障が出ることがあります。連絡の遅れで問題が起きたときは、設定を緩めます。確認する間隔を短くするか、急ぎの連絡手段をチームで決めます。
通知を減らしても疲れが変わらない人は、疲れの元を5つに分けて記録する方法で、中断のほかの原因を確かめてください。
今日やること。明日から3日間、数える方法を決めます。
自分では設定を変えられない職場なら
通知の設定や確認の仕方が、職場の決まりで決まっていて、自分では変えられないことがあります。その場合は、個人の工夫ではなく、チームの連絡の決まりとして上司に相談します。
相談に持っていくのは、3日間で数えた回数です。伝える一文の例は、次のとおりです。「作業の途中で連絡が入り、戻るのに時間がかかっています。返事を急ぐ連絡と、まとめて返せる連絡を、チームの決まりとして分けられないか相談させてください。」
よくある質問
通知を切ると、まわりに迷惑がかかりませんか
職種や職場によります。短い時間から試し、困ったことが起きたら設定を緩めてください。事前にチームへ伝えておくと、行き違いを減らせます。
会議の目的を聞くと、失礼になりませんか
「準備したいので」と理由を添えると、確認として受け取られやすくなります。受け止め方は相手によるので、相手との関係に応じて言い方を調整してください。
出典・この記事の前提
- Gloria Mark, Victor M. Gonzalez, Justin Harris (2005) “No Task Left Behind? Examining the Nature of Fragmented Work” Proceedings of CHI 2005, 321–330. 米国の職場での観察研究。本記事では、中断からの回復にかかる具体的な時間の数値は引用していません。
- 数え方と変えることの候補は、CareerPivotが整理した方法です。